日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2011年12月19日 金正恩とは&中朝と各国の関係

金総書記から権力を譲り受ける
金正恩氏とはどのような人物なのでしょうか。

金総書記の三男として生まれた正恩氏は現在28歳です。
 

10代半ばの頃の正恩氏とみられる少年。
「パク・ウン」と名乗りスイスに留学していたとみられています。

同級生によるとバスケットボールが好きな真面目で友好的な少年だったといいます。

その正恩氏は去年、初めて後継者として表舞台に登場。 
金総書記や労働党の幹部らと写真に写った姿は
正恩氏が後継者に固まったことを強く印象づけました。

ただ、父の金総書記と正恩氏にはひとつ大きな違いがあります。

金総書記が父・金日成主席の後継者として内定したのは1974年、32歳のころ。

公の場でデビューしたのは80年に開かれた党大会、38歳のときでした。

94年、父が亡くなると52歳で実質的に最高指導者の地位に就きます。
後継者に内定してから実に20年が経っていました。
この間、着々と後継者としての経験を重ねていたとみられています。
 
一方、正恩氏は去年、27歳でデビュー。

仮にそれより前から後継者としての準備を進めていたとしても、その期間はわずか数年。
28歳の若さで最高指導者の地位に就くことになったのです。

このため正恩氏の指導者としての経験不足を指摘する声もあります。

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金総書記の突然の訃報を受け、最も緊張しているのは韓国です。

韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線。
私も5年前、この周辺で取材をしましたが兵士が監視を続けるなど今も緊張状態にあります。

というのも、韓国と北朝鮮は現在、休戦中。
つまり戦争を完全に終えたわけではなく国際法上は今も戦争状態なのです。

第二次世界大戦終戦後の1948年。
北緯38度線を境に南に大韓民国、北に朝鮮民主主義人民共和国がつくられました。

そして1950年6月。
北朝鮮が、軍事境界線を越えたことにより、朝鮮戦争が始まりました。

韓国にはアメリカを中心とした国連が、
北朝鮮側には中国と当時のソ連がつき、
いわば、資本主義対共産主義の戦争だったのです。

今も北朝鮮と中国の間には友好関係が続いています。
金総書記も何度も列車で中国を訪問しています。

中国が北朝鮮を無視できないのはどのような事情からなのでしょうか。

ひとつは難民問題です。
中国は北朝鮮と陸続きなため北朝鮮の政府や経済が不安定になれば
真っ先に中国へ多くの難民が押し寄せてくる可能性があるのです。

さらに中国にとって気になるのは
韓国に駐留するアメリカ軍の存在です。
もし北朝鮮がなくなってしまうと、中国は米軍がいる国と隣り合わせになってしまうため
中国は韓国との間に北朝鮮をおいておきたいのです。

北朝鮮情勢が不安定化すれば
中国とアメリカという大国間の関係にも影響を与えることが予想されます。