日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2011年10月24日 TPP(環太平洋経済連携協定)2

きょうは、民主党内でも賛否が分かれているTPP。
実は、農作物などの関税の撤廃以外にも
私たちの生活に広くかかわってくるものなんです。
まずはこちらをご覧下さい。

TPPの交渉参加に慎重な考えを持つ人々が集まった会合です。
出席していたのは農業関係者ではなく、
日本医師会などの医療関係者でした。


TPPは

トランスパシフィックパートナーシップの頭文字をとっています。

アメリカなど太平洋を囲む国々でビザや食品の安全基準など
社会の様々なルールを統一しパートナーシップ、
連携をとっていこうというものです。

この話し合いのテーブルにつくのかどうかを
日本は今、検討しているのです。

では、このテーブルではどのような話し合いが行われているのでしょうか。


コメなどの関税の撤廃に関心が集まりがちですが
実は、テーマはあわせて21分野にものぼります。

「商用関係者の移動」や「検疫」、「電子商取引」など多岐にわたり
交渉が行われているのです。


日本が参加した場合を考えてみましょう。
まずは、この「商用関係者の移動」。

ここではビジネスマンのビザの長期化などが
話し合われています。
 
日本のビジネスマンが海外で働くときに滞在できる期間が
今よりも長くなり、仕事がしやすくなるメリットが期待できます。


一方、懸念があるとされているのが「検疫」です。

これは、食品の安全基準に関する話し合いですが、
日本が現在の輸入規制の緩和を求められ、
添加物などの基準に影響が出る懸念があるのです。

しかし、政府によると参加国の間で
現在このような議論はされていないということです。


さらに「知的財産」という分野。

日本のメリットは、新興国の模倣品や海賊品の
取り締まり強化が期待できることです。


一方、慎重派が指摘するデメリットは、

アメリカの製薬業界が、
医薬品の特許期間の延長を求めてくる可能性があるということです。

どういうことかといいますと、医薬品は、開発した会社の
特許が有効な間、他社はその医薬品をつくれません。
特許がきれると他社もつくれるようになり流通量が増えることで
価格が安くなります。

しかし、特許期間が延長されると他社がつくれなくなり
医薬品の価格は高いままになってしまうのです。


政府は、この医薬品の特許期間について
現在交渉は行われていないとしています。 

政府側はトータルでのメリットを考えて欲しいとしていますが、
TPPが日本にとってメリットが大きいものなのか見極めるためにも、
十分な情報が求められます。