いまアフリカのある国で多くの人が死に直面しています。
ＷＦＰ・国連世界食糧計画は
先月25日、
「ソマリアのすべての世代が
飢餓の危機に瀕している」と
緊急声明を発表しました。
ソマリアは20年以上続く
「内戦」の結果、無政府状態が続いています。
そこに世界的な
「食糧価格の高騰」で国内の食料が不足。
さらに、この10か月
まとまった雨がほとんど降らず
干ばつに見舞われています。
このいわば「三重苦」によって
人口およそ900万人のうち
370万人が
死に直面しているという
過去最悪レベルの
食糧危機を生み出しています。
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やせ細り、
うつろな目をした子ども。
母親はこう訴えます。
＊母親
「今すぐに支援がないと
私たちは死んでしまいます。
国連はどこにありますか？
私たちを助けに来てください」
先月、首都モガディシオは
国際機関による配給を求める人で
あふれていました。
飢餓が深刻になった
この2か月間で10万人が
ソマリア各地から
首都に集まったといいます。
いまも暫定政府と
イスラム過激派組織の
衝突が続くソマリア。
そこに過去60年で
最悪と言われる「干ばつ」が
追い打ちをかけました。
隣国ケニアにも、ソマリアから
食料を求めて多くの難民が
逃れてきています。
この女性は1歳の娘
ハビボちゃんを連れて
避難してきました。
「娘は重病です。夫はソマリアに
残してきました」
体重を量ると、
6キロにも届きません。
日本の1歳児の平均体重は
およそ10キロです。
さらに...生後7か月の
この赤ちゃんは...。
「この年齢（生後7か月）では
8～9キロはありますが、
この子は3．2キロ。
深刻な栄養失調であることは
明らかです」
ここを訪れる5歳未満の子どもの
4人に1人は
深刻な栄養失調だといいます。
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VTRにあったように、
ソマリアの人たちは食糧を求め
次々と国外へ出ています。
この2か月間だけで
ケニアに 4万5000人
エチオピアに 4万3000人
ジブチに 800人 が
押し寄せています。
ただこれらの国でも
干ばつによる飢餓は
起きていました。
そこにソマリアからの難民が
押し寄せることで
飢餓は東アフリカ全体で深刻さを増していました。
国際社会も支援に
乗り出そうとしていますが、
そこには大きな問題があります。
ソマリアで食糧危機が
最も深刻な南部では
イスラム過激派組織が
実質的に支配しています。
彼らは国連など国際機関が
援助に入るのを拒んできました。
またメディアの取材も
危険なため、
惨状があまり報道されず
支援の輪が広がっていないとの
指摘もあります。
次の雨期を迎える
10月以降まで食糧危機は
続くと言われています。