日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2011年5月23日 わたしに、できること。 福島のボランティア

今週の「わたしに、できること」

原発事故の深刻な影響が続く中、
ボランティアが大きな力を発揮しています。

まずは、こちらをご覧ください。

多くの子どもたちが遊ぶこの場所、
実は、福島県南相馬市にある"お寺"です。

原発事故の影響で幼稚園や保育園の休園が続くこの地域では、
お寺が場所を提供し、ボランティアが子どもを預かっています。

このお寺があるのはこちら。

福島第一原発から30㎞以上離れた場所です。
そもそも南相馬市では

原発から20㎞以内の赤色のエリアは
立ち入りが規制されている「警戒区域」、

オレンジ色の西のエリアは避難が必要な「計画的避難区域」。

さらに、中央の緑色のエリアは緊急時に備え
避難準備が必要な区域に指定されています。

お寺のある場所には、特に規制はありません。

このお寺で活動するボランティアを取材しました。

【VTR】

福島県の南相馬市。

ここで私たちは、大阪から来た1人の男性に出会いました。

中嶋貴裕さん23歳。
教員を目指すかたわら、およそ3週間、
南相馬市でボランティア活動を続けています。

この日、中嶋さんが向かったのは市内のお寺。

ここでは保育士の資格を持つボランティアなどが
臨時の託児所を開いていました。

 

南相馬市では原発事故の影響で閉園せざるを得ない幼稚園や保育園が多く、
仕事を持つ親から子供を預けられる施設が欲しいとの要望がありました。

 

そこでボランティアセンターがこのお寺を間借りして託児所を開設したのです。

 

この日、屋外の放射線の数値は1時間あたり0.7マイクロシーベルト。

 

これは、例えば屋外で1日10時間、1週間活動した場合、
レントゲン1回分とほぼ同じ放射線量です。(レントゲン1回 50マイクロシーベルト)

  

この日も10人ほどの子供が、預けられていましたが、
安全を考慮し子供たちが遊べるのは窓を閉め切った室内のみです。

中嶋さんはなぜ、南相馬市でのボランティアを選んだのか。
理由を聞いてみると...

「1つは放射能があって、僕自身はそういうのをあまり気にしてなかったんですけど、
周りにいるとそういうのを気にする人が多くて、
やっぱり人数聞いたら(ボランティアが)少ないみたいなんで、
でも現地の人も頑張ってるんで、それに少しでも力になればと思いまして」

  

そのほかにも、津波の被害を受けた地域での
ガレキの撤去作業や、回収された写真や卒業アルバムなどを
きれいに洗って乾かしてから持ち主に返す活動なども行われています。

東京からボランティアに参加した男性は-。

Q原発の影響は心配しなかった?
「一応文科省のホームページで数値をチェックできるんで見てたけど
実際ここで生活してる人もいるわけで、
自分が1日行ったくらいで影響があるとは全然思わない」

南相馬市のボランティアセンターで働く佐藤さんは-。

 

「中には家族に反対されながら来てる人もいたけど、
それでもおれは行くんだという意識の高いボランティアさんが多くて、
足を踏み入れてもらっただけでも、私たちはすごく感謝」

南相馬市では現在も、県外から来たボランティアを受け入れていますが、
活動にあたってはいくつかの注意点があるといいます。

まず、宿泊についてはホテルなどの利用を呼びかけています。
放射線の影響を考え、テントでの宿泊や車中泊はやめるようお願いをしています。

また、ボランティア活動については、
雨が降ると一時的に放射線の数値が上がることがあるため、
雨の日は活動を中止しているということです。

今回、VTRで紹介した南相馬市以外でも新地町、相馬市、いわき市で
県外からのボランティアを受け入れています。

正確な情報に基づいた継続的な支援は、被災地の大きな力となります。
以上、イチメンでした。