日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2011年5月16日 わたしに、できること。 支援物資ミスマッチを防げ

時間の経過とともに
被災地では支援物資の
   「ミスマッチ」が問題になっています。

 


これは、岩手県の
支援物資保管場所で
   大量に積まれた段ボール。

中身はすべて毛布です。

地震発生当初、被災地は
氷点下になることもあったため、
被災者にとって、毛布は
    命をつなぐ必需品でした。

しかし、震災から2か月あまり。

季節は春となり、
毛布はほとんど
    必要なくなりました。

このミスマッチを防ぐために
出来ることは何なのでしょうか?

現状を取材しました。


岩手県の滝沢村。

ここに、救援物資を保管する
      県の倉庫があります。


テニスコート約7面分の敷地に
全国の自治体や企業などから
   岩手県に集められた救援物資が
             積まれていました。


1日平均100トンの支援物資が
毎日 ここに運ばれています。


倉庫の中には
水や食料のほかに、
 夏を目前にして必要がなくなってきた
    セーターやコートなど冬用の衣類が・・・


「かなりこれで占有されてるわけですから、
できれば早急に対応して、
   有効にスペース活用したいと思っています」

 

一方、宮城県・石巻市にある
ボランティア団体などが
   管理している倉庫をのぞいてみると...

 

ここにも、
全国各地から届いた大量の物資が
             積まれていました。


「衣服が多いですね」
「季節感があるということで、
今の時点で東北だから冬物を送って
         頂くとちょっと困ってしまう」


そこで こちらの団体では
需要のない衣服をあるモノに
    リサイクルしようとしていました。


現在、
避難所から自宅に戻る人が多く、
  たまったドロなどを除去する作業が増えています。


そのため
衣類をリサイクルして
軍手やぞうきんなどに変え、
      対応しようとしています。

「私たちはそういったものを無駄に出来ない」
「そういったかたちで有効に
    していきたいと思っています」


きのう石巻市に出来たばかりの
    仮設住宅に入居した千田さんは...

 

「本当にね、いいんですよ」
「テレビも冷蔵庫も
       これもですよ」

こちらの仮設住宅では
テレビや冷蔵庫などの家電が
       備え付けられていますが
そのほかの日用品は
各自で用意しなければなりません。


震災から2か月たち、
時間の経過とともに
  生活に必要なものも
      変わってきています。


このように、
被災者のニーズに合わない物資が
     大量に余るという現状。

こうしたミスマッチを防ぐには、
「必要な物資が必要なだけ届く」
          ようにする
事前のマッチングが大切です。

被災地側でも、
ミスマッチを防ぐ仕組みが
       整い始めました。

きょう、岩手県では
個人からの支援物資を受け入れるための
           拠点施設が開設されました。


岩手県のシステムでは
  ミスマッチを防ぐために、
支援物資の受け付けは「事前登録制」になっています。

まず、個人で物資を送りたい場合は
電話やFAXで
  受付センターに問い合わせ...


氏名・住所・連絡先、
 支援物資の内容を登録します。

その後受け入れ準備が出来次第、
センターに
  支援者が送るシステムです。


いま、受け入れているのは、
いずれも新品で、
衛生・台所用品、
掃除・洗濯用品、
女性用下着類などです。

また、受け入れを
 休止しているものもあります。
例えば衣類、毛布、ろうそく、
などは現在受け付けていません。


岩手県のほかにも、
ボランティア団体の中に、
インターネットで必要な物資を
    募集しているケースがあります。


いずれにしても、大切なのは、
個人で支援物資を送る場合は必ず
「被災地のニーズを確かめて
  必要な数だけ」送ることです。

ニーズは、地域や被災者によって、
刻一刻と変化するため、
きちんと情報収集をしてから
支援することが求められています。