日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2011年5月9日 わたしに、できること。 ボランティア拠点編

今週の「わたしにできること」。

より多くのボランティアがスムーズに被災地に入れるよう
新たな仕組みが作られています。
まずはこちらをご覧下さい。

体育館に泊まり込む人々。
こちらは、岩手県遠野市に設置されたボランティアのための宿泊施設です。

いま、この場所は、岩手県内のボランティア活動で、一大拠点となっています。
その理由を詳しくみてみます。

 

遠野市は岩手県の内陸部分にあり、津波の被害はありませんでした。

大きな被害を受けた陸前高田市や大槌町などにも
車で1時間とアクセスが良いのです。


また、ボランティアが長期滞在しやすい環境が整っています。

そもそも被災地でボランティアをする場合、泊まる場所はテント。
食事も、自炊する必要があります。

水道などのインフラも十分回復していません。

一方、 ボランティアの拠点になっている遠野市では、
体育館など宿泊のための施設が用意されています。
さらに周辺のお店で食事をすることも可能です。

水道やガスなどのインフラもすべて整っているため、
シャワーを浴びることもできます。

そのため、ボランティア経験が少ない人でも
参加しやすくなっているのです。

この遠野市のボランティアの拠点を取材しました。


【VTR】

私たちが訪れたのは遠野市の総合福祉センター。

これまでに5,000人のボランティアがここを拠点に活動してきました。

ここは、津波による被害がなかったため、
ボランティアのための充実した設備が整っています。

この場所で、ひとりのボランティアに出会いました。

岩手県出身の会社員、板橋哲(さとる)さん。

現在、東京で暮らしていますが火曜日までの3日間、
ボランティアに参加するためやってきました。

「地元に何かできることがあればと思って来ました」

到着後、まず板橋さんは近くのコンビニへ夕食の買い出しに。

遠野市ではお店が通常営業しているため、
自炊をしなくても食糧をすぐに調達できるのです。

施設のシャワーも自由に使うことができ、

寝泊まりするのはテントではなく施設の体育館。

寝袋と毛布は自分で用意しました。

午後10時に消灯-。

翌朝6時すぎ、一斉に準備が始まりました。

 

ボランティア全員が集合し、その日の依頼に合わせて仕事が振り分けられます。

グループごとにバスに乗り、活動場所へと向かいます。

やってきたのは大槌町。

大槌町は津波で壊滅的な被害を受け、
死者・行方不明者は1700人以上にのぼります。

およそ1時間かけて避難所に到着。

板橋さん 「洗うところは?裏?」
スタッフ 「裏」

今回の活動は、避難所での炊き出しです。

 

薪割りから始め、様々な料理を作っていきます。
この日用意するのは500人分の昼食。

メインは焼き魚。
およそ2時間かけて、人数分の魚を焼き上げました。

大槌町の人々に焼き魚は大人気。

いつの間にか行列ができていました。

「車もないし買い物にも行けないから助かります。
今日は特にお魚がおいしかったです」

「いろんなところにアクセスという意味で(遠野市は)便利。
あとは、盛岡に近いとか、内陸の都市とも近いと思うので皆さんが来やすいと感じます」


ゴールデンウイークが明けて、ボランティアの人数が減っています。
現在、県外から個人のボランティアを受け入れている地域はこちら。

岩手県では現在、被災地で直接受け入れはしていませんが、
VTRで紹介した遠野市で引き続きボランティアを受け入れています。


宮城県では、こちら。

一時的に県外からの受け入れを中止していた南三陸町、石巻市、
亘理町でも受け入れを再開しています。

そして福島県では、ご覧の地域で県外からのボランティアを受け入れています。


最新の状況については、全国社会福祉協議会の
ホームページなどで必ず確認してください。 

継続的な支援は被災地の大きな力となります。

以上、イチメンでした。