日本テレビ「NEWS ZERO」

http://www.ntv.co.jp/zero/

イチメン 2011年2月7日 食料価格高騰

 実は今、過去最大の
 食料価格高騰の波が
 世界に広がっているんです。

 コーヒー豆の仕入れ値が高騰しています。
 一部のお店やメーカーでは
 値上げしたり、
 価格は変えずに
 商品の量を減らすなど
 対応しています。

 仕入れ値が高騰している食料品には、
 ほかにも、小麦やとうもろこし、
 大豆といった穀物。
 そして砂糖や乳製品、カカオなどがあります。

 実は、このような食料価格高騰は
 日本だけではありません。

 世界の食料価格の水準を表すものに、
 国連の機関が月ごとに算出している
 食料価格指数というものがあります。
 
 平均値を見ると
 7か月連続で上昇しており、
 ついに先月には、231ポイントと、
 統計をとり始めた1990年以来
 過去最高の水準となったのです。

 この世界的な食料価格高騰。
 原因は何なのでしょうか。

 大きく3つの原因が指摘されています。
 

 まず一つ目は、去年から続く世界的な異常気象です。

 オーストラリアではサイクロン、
 中国では洪水が発生。
 
 またアメリカでは寒波。
 ロシアでは干ばつが発生しました。

 これらの自然災害が小麦や砂糖などの
 生産に打撃を与え、
 価格を高騰させているのです。

 そして二つ目の原因として、
 新興国の需要拡大があります。

 巨大な人口を抱える
 中国やインドなどでは、

 経済発展とともに暮らしが豊かになり、
 食生活も変わってきました。

 パンなど、欧米の食べ物が広まったことで、
 穀物などへの需要が急激に増えているのです。

 しかし、この需要拡大に
 食料品の供給が追いついておらず、
 価格が高騰しているという指摘があるのです。  

 そして三つ目の原因として
 あげられるのが投機マネーの流入です。

 日本やアメリカ、
 ヨーロッパの国々では
 景気を回復させるため、
 企業に大量のお金を供給する
 金融緩和政策をとっています。
 
 この大量のお金は
 投資家たちの間にも出回りました。
 
 投資家たちは、そのお金を
 将来、値が上がる見込みのある
 穀物など食料品の市場に投じ、
 価格高騰を後押ししているのです。

 大きくこの3つの原因が
 食料価格高騰を
 引き起こしているといわれていますが、
 価格高騰は、私たちの家計に
 影響を与えるだけでなく、
 貧困層を抱える国々では、
 深刻な事態を招きます。
 
 エジプトなど中東の国々で
 続発している反政府デモも
 この食料価格高騰が
 原因のひとつと言われているのです。
 
 今後も食料問題に注目です。
 以上、イチメンでした。