日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2010年12月13日 ボディースキャナー

 

 箱のようなものに
 人が入っていますが、
 これはボディースキャナーという機械です。

 衣服の内側に、
 危険物を隠していないか
 チェックするもので、
 先週水曜日、国土交通省が、
 日本の空港への導入を
 認めると発表しました。

 現在、日本の空港では
 まず手荷物のX線検査が行われ、
 次に乗客が金属探知機をくぐる
 検査が行われます。

 しかしこの金属探知機では
 プラスチック爆弾や
 液体の危険物などを
 見つけることができません。

 そのため、衣服の下に隠し持ち
 くぐりぬけられてしまう
 可能性があります。

 そこで、3つ目の検査として、
 一部の乗客に、
 ボディスキャナーによる検査を
 行うことを検討しているのです。

 人体は、ミリ波とよばれる
 微弱な電波を発しています。

 ボディースキャナーは
 この電波をとらえる、
 もしくは機械から
 電波を発して反射させる
 ことで映像化します。

 もし何かを隠し持っていた場合、
 この電波がさえぎられるため、
 その部分の形が影のように映る
 という仕組みなのです。

 このボディースキャナーの
 導入のきっかけは、
 爆破テロ未遂事件でした。

 去年12月、オランダ発
 アメリカ・デトロイト行きの
 国際線で、乗客の男が
 身柄を拘束されました。

 男は、金属探知機では見つけられない
 粉末の爆発物を下着に隠し、
 機内に持ちこんでいたとみられています。

 このようなテロを防ぐため
 現在では、
 アメリカやイギリスをはじめ、
 オランダや韓国などの空港でも
 ボディースキャナーが使われています。

 今後日本でも
 導入されるかもしれませんが、
 これには慎重な意見があります。

 アメリカでは
 このように衣服の下が
 鮮明に映る機種が使われています。

 日本で導入が
 検討されている機種も、
 これと同じぐらい
 鮮明に映るため、
 プライバシーの侵害だという指摘があるのです。

 アメリカでは
 ボディースキャナーの検査に
 同意しない乗客は、
 代わりに、体を触る接触検査を
 受けることになっています。
 
 このプライバシーの
 問題も含め、今後さらなる検討が必要です。