日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2010年11月29日 ノロウイルス

今、ノロウイルスが猛威をふるっており、
感染する人が急激に増えています。
まずはこちらをご覧下さい。

これはノロウイルスの顕微鏡写真です。

先週、千葉県・習志野市の小学校で児童ら178人が
このノロウイルスに集団感染しました。
 

主な症状は、おう吐や下痢、腹痛です。
 
通常は1日2日で完治しますが、抵抗力の弱い乳幼児や
持病がある高齢者などは、重症化するケースがあります。

ノロウイルスを含む感染性胃腸炎の患者数は、
今月8日からの1週間で2万3,366人。

1医療機関あたりでは7.7人です。
これは同時期で見ると過去10年間で2番目に多い数です。

なぜ、これほどまでに患者が増えているのでしょうか。
実は、去年の感染者の数が関係しているといいます。
国立感染症研究所によると、

一度感染した人には

免疫力がつき、症状が出にくくなる人もいるということです。

しかし去年は、例年に比べ感染者が少ない年でした。


 
そのためことしは、免疫がある人も少ないとみられ、

患者が増えているのではないかということです。

では、どういう経路で感染するのでしょうか。

患者のほとんどは子供です。感染した児童が、
学校などで別の児童と接触するか、

もしくは、感染した児童がおう吐し、別の児童が触れた場合、
そのままの手で何かを食べたりするとウイルスが口に入り、感染する恐れがあります。

また、おう吐物が乾燥すると、ウイルスが
空気中に舞い散り、吸い込んで感染する恐れもあるのです。

このほか、貝などの食べ物から感染するケースもあります。

感染者の排泄物は下水に流れますが、下水処理施設では 
ウイルスを完全に死滅させることができず、一部が海に流れ込み、貝などが取り込みます。
 
それを生で食べた人が、ノロウイルスに感染する場合があるのです。

 

これは貝などを十分に加熱することで防ぐことができます。

さらに感染拡大を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。

 

まずはせっけんなどでしっかり手洗いをし、感染を予防することです。

もし家庭の中で感染者が出た場合は、調理器具や衣類などを、
熱湯もしくは塩素系の消毒剤などで徹底的に消毒します。

また感染者は、料理など食品を取り扱うのはひかえる必要があります。

そして学校や会社へ行くのもひかえたほうがいいということです。

ノロウイルスには特効薬がないため、患者は、水分補給をしながら安静にするしかありません。
例年、感染者が最も増えるのは12月。今後も注意が必要です。