日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2010年11月22日 小惑星探査機 はやぶさ 2

これは、
日本の小惑星探査機「はやぶさ」です。

この「はやぶさ」が持ち帰った
およそ1500個の微粒子が
小惑星のものであると断定されたのです。

はやぶさは2003年に打ち上げられました。

およそ2年かけて大きさわずか
500メートルほどの小惑星イトカワに着陸。

イトカワの微粒子を採取し地球に向かいます。

途中、エンジンや通信機器が次々に故障し、
一時は帰還が絶望視されます。

しかし、打ち上げから
7年が経ったことし6月、
カプセルが地球に帰ってきました。

人類が月より遠い天体から
石や砂を持ち帰るのは、世界初の快挙です。

そして、宇宙探査は、
次の段階に向けて動き始めています。

11月20日・21日、世界で初めて
「はやぶさの2号機」の模型が
 一般に公開され、会場には多くの人が訪れました。

きょうはその会場で展示されていた
「はやぶさ2」の模型を特別にお借りしてきました。

模型は実際の10分の1の大きさです。

まず目に付くのが「はやぶさ2」の
本体の両側にあるこちらの大きな太陽光パネルです。
ここで太陽の光を受け発電し、電気の力で進むのです。

そして、本体の下側には小惑星の岩石を
採取するための筒がついています。
採取された岩石は
こちらの丸いカプセルに収容され、
最終的にこのカプセルだけが、
切り離され、地球に戻ります。

大成功を収めた
最初の「はやぶさ」と外観上は、ほぼ共通です。

ただ、「はやぶさ2」と、「はやぶさ」は
最終的な目標が違うのです。

「はやぶさ」が向かったのは、小惑星イトカワ。

一方、
「はやぶさ2」が目指すのは
「1999JU3」という
まだ仮の名前しかない小惑星です。

実はこの2つの小惑星には
大きな違いがあるんです。

イトカワの大きさはおよそ500メートル。

一方の「1999JU3」は
およそ900メートルです。

イトカワは岩石でできています。
誕生してから、これまで
熱などの影響を受けないため
太陽系ができた
およそ6億年前の成分が
そのまま残っているとされています。

つまり、その岩石を分析すれば
"太陽系誕生のナゾ"に
迫れると言われています。

これに対し、
「1999JU3」は
 同じく岩石で出来ていますが、
 生命に不可欠な有機物や
 水を多く含むと見られています。

そのため、岩石を持ち帰り分析することで
生命誕生の秘密を
知ることができる可能性もあるのです。

そこで「はやぶさ2」では採取の方法が
大幅に見直されています。

最初の「はやぶさ」は小惑星に着陸し、

筒状の装置で岩石を採取しました。

ただ、小惑星の表面は「風化」し、
性質が変わることがあります。

そのため「はやぶさ2」では
小惑星に着陸する前に

鉄球などを高速で発射し
クレーターを作り、

その中に着陸して風化していない
岩石を採取する計画です。

「はやぶさ2」は早ければ
201年に打ち上げられ、
2020年には岩石を採取して
地球に帰還する計画です。

しかし、予算の問題もあり、
「はやぶさ2」の開発は最終的に決まっていません。