日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2010年11月1日 TPP(環太平洋経済連携協定) 

 

 これはアメリカのカリフォルニア州でつくられ、
 輸入されている「あきたこまち」です。
 2キロ 1,18円で販売されています。

 一方、国内でつくられた
 あきたこまちは、同じ店で2キロ920円。

 実は今後、カリフォルニア産のほうが
 国内産よりも安くなる可能性があるんです。

 なぜこういうことが起きるのでしょうか。

 これには、TPPというものが関係しています。

 TPはトランス・パシフィック。
 Pはパートナーシップの頭文字をとったものです。

 日本語では、環太平洋経済連携協定。
 アメリカを含む、太平洋を囲む9か国が
 結ぼうと交渉している協定です。

 日本もこの協定に参加するかどうかが
 今、話し合われているんです。

 どういう協定なのか順番に見ていきましょう。

 そもそも、国と国との間で
 人やモノが行き来する場合、

 人でいうとビザなど出入国の手続き。
 モノでいうと輸入品に課せられる関税があります

 これらは各国の
 国内産業を保護するための
 壁となっていますが、

 TPPは協定を結んでいる
 すべての国々の間で、
 これらの壁をなくしていこうというものなのです。
 
 では、この関税について
 もっとくわしく見ていきしょう。

 例えば日本からアメリカへ
 100万円の車を輸出したとします。
 この場合、アメリカでは
 1台あたり、値段の2.5%の
 関税が課せられます。

 つまり、およそ2万5000円が上乗せされるのです。

 今度は逆に100万円分の米を
 アメリカから輸入したとします。
 
 この場合、日本では
 値段のおよそ7.8倍の関税が課せられます。
 つまり、およそ780万円が値段に上乗せされます。

 このように高い関税を課すことで、
 日本はこれまで、国内の農家を守ってきました。

 日本がもしTPPに加われば、
 これらの関税を一気に
 原則0円に引き下げることになります。

 ということは、車などの輸出企業は、
 より安く商品を販売できるようになり
 海外に進出しやすくなります。

 一方、消費者にとっては
 この米のように輸入品の
 値段が下がることになります。

 しかし困るのは、国内の農家です。

 関税を下げれば、
 外国の米が、一気に
 日本に大量に入ってくることになり、
 国内の農家が
 圧迫されるおそれがあるのです。
 
 そのため、
 国内の農家はこのTPPに強く反対しています。