日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2010年10月25日 どうなるリニア新幹線

「夢の次世代新幹線」構想が
 実現に向けて
 一歩近づきました。

 

これはJR東海が中心となって
 開発を進めている最新のリニアモーターカーです。

このリニアモーターカーを使って
東京~大阪を結ぶ
「リニア中央新幹線」のルートが徐々に明らかになってきました。


超電導磁石により
 地上およそ10センチを浮き上がって走る
                リニアモーターカー。

わずか8.8秒で
 世界最速の時速581キロに達し、
      ギネスにも認定されています。

 


これまで3通りのルートが検討されていました。


まず、3000メートル級の
  山が連なる南アルプスをトンネルで貫く赤色の直線ルート。

南アルプスを迂回する緑色の伊那谷ルート、

その、さらに北を迂回する青色の木曽谷ルートです。

このうち、直線ルートが
 「最も建設費用が安い上に、
    最も多くの乗客が見込まれ
       経済効果が高い」との試算が先週、公表されました。

そのため、
 この直線ルートで建設される可能性が高まっています。

 

同じ東京~大阪を走る
     東海道新幹線と比べてみます。


2027年に東京~名古屋が開通すれば、
 新幹線「のぞみ」の1時間35分より
         1時間近く短縮され0分に。


205年に東京~大阪が開通すれば、
    2時間25分から1時間以上短縮され
            67分になるといいます。

料金ですが、
 東京~名古屋は新幹線「のぞみ」より
      700円プラスの1万1500円程度、


東京~大阪では
 1000円プラスの1万5000円程度に
             抑えられる見込みです。

ただ、建設費用は試算では、なんと9兆円。

これをJR東海は
 国からの補助を一切受けずに全額、自己負担し、
   できるだけ早く着工したいとの方針を示しています。

では、なぜJR東海は
 巨額の負担をしてまでリニアの完成を
              急いでいるのでしょう?

理由は、
 今の東海道新幹線にあります。

JR東海の鉄道収入は
 実に85%が東海道新幹線によるものです。

ただ、東海道新幹線のルートは
  近い将来起きると言われる
    東海地震で大きな揺れが想定されている
          色が付いているエリアと重なります。

もし、地震で東海道新幹線が被害を受けても、
 リニアを作っておけば東京~名古屋間の
        人の行き来は寸断されません。

もう1つの理由は老朽化です。
 東海道新幹線は開業6年目となり
       橋などの老朽化が進んでいて、
 今後、運休をともなう大規模な改修工事が必要だといいます。

以上のような理由で
 JR東海としては2つの"大動脈"を
          早く整備したいのです。

JR東海は
 201年には着工したいと話していますが、
     正式決定までもう少し時間がかかりそうです。