「夢の次世代新幹線」構想が
実現に向けて
一歩近づきました。
これはJR東海が中心となって
開発を進めている最新のリニアモーターカーです。
このリニアモーターカーを使って
東京~大阪を結ぶ
「リニア中央新幹線」のルートが徐々に明らかになってきました。
超電導磁石により
地上およそ10センチを浮き上がって走る
リニアモーターカー。
わずか8.8秒で
世界最速の時速581キロに達し、
ギネスにも認定されています。
これまで3通りのルートが検討されていました。
まず、3000メートル級の
山が連なる南アルプスをトンネルで貫く赤色の直線ルート。
南アルプスを迂回する緑色の伊那谷ルート、
その、さらに北を迂回する青色の木曽谷ルートです。
このうち、直線ルートが
「最も建設費用が安い上に、
最も多くの乗客が見込まれ
経済効果が高い」との試算が先週、公表されました。
そのため、
この直線ルートで建設される可能性が高まっています。
同じ東京~大阪を走る
東海道新幹線と比べてみます。
2027年に東京~名古屋が開通すれば、
新幹線「のぞみ」の1時間35分より
1時間近く短縮され0分に。
205年に東京~大阪が開通すれば、
2時間25分から1時間以上短縮され
67分になるといいます。
料金ですが、
東京~名古屋は新幹線「のぞみ」より
700円プラスの1万1500円程度、
東京~大阪では
1000円プラスの1万5000円程度に
抑えられる見込みです。
ただ、建設費用は試算では、なんと9兆円。
これをJR東海は
国からの補助を一切受けずに全額、自己負担し、
できるだけ早く着工したいとの方針を示しています。
では、なぜJR東海は
巨額の負担をしてまでリニアの完成を
急いでいるのでしょう?
理由は、
今の東海道新幹線にあります。
JR東海の鉄道収入は
実に85%が東海道新幹線によるものです。
ただ、東海道新幹線のルートは
近い将来起きると言われる
東海地震で大きな揺れが想定されている
色が付いているエリアと重なります。
もし、地震で東海道新幹線が被害を受けても、
リニアを作っておけば東京~名古屋間の
人の行き来は寸断されません。
もう1つの理由は老朽化です。
東海道新幹線は開業6年目となり
橋などの老朽化が進んでいて、
今後、運休をともなう大規模な改修工事が必要だといいます。
以上のような理由で
JR東海としては2つの"大動脈"を
早く整備したいのです。
JR東海は
201年には着工したいと話していますが、
正式決定までもう少し時間がかかりそうです。