日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2010年8月30日 チリの鉱山落盤事故

 これは、穴を掘るための機材を
 現場に運んでいる様子です。
 今後、巨大な掘削機が
 組み立てられる予定です。

 穴は、山の上から地下700メートルの
 シェルターまで直線で掘られます。

 この穴の大きさは
 人一人が通れる
 最小限の大きさになります。
 これは、その実物大です。
 直径はおよそ70センチ。

 実際はカプセルに人を入れて
 引き上げるということですが
 かなりせまいことがわかります。
 
 ウエスト周りが大きいと
 つっかえてしまうため、
 一部の人はダイエットが必要
 といわれています。

 そしてこの穴が完成するまで、
 注意しなければならないのが、
 精神的なストレスです。

 実は、これについて
 チリ政府はある機関に
 アドバイスを求めています。
 それが、アメリカ航空宇宙局NASAと
 チリの海軍です。
 一体なぜなのでしょうか。

 例えばNASAの場合は宇宙ステーション。
 海軍の場合は潜水艦と、
 いずれも、密閉空間に
 長時間過ごすストレスが共通しているからです。

 具体的には外界と隔絶した孤独感。
 周りが危険な環境という緊張感。
 そして、同じ人々と毎日
 顔を合わせるストレスなどです。

 これらのストレスは、
 精神的な悪影響を与え、
 具体的な症状が現れてきます。

 宇宙航空研究開発機構
 JAXAで、宇宙飛行士の
 精神的なケアをしている担当者によると、
 無気力になったり、眠れなくなったり、
 ひどくなれば、うつ病や 
 パニック障害を引き起こす
 危険性もあるといいます。

 チリの保健相によると実際に33人中、
 すでに5人がうつ状態
 になっているということです。

 では、どのように
 防いだらいいのでしょうか。
 海上自衛隊の担当者にうかがったところ、
 全員が同じ行動をとるように、
 "統率"を崩さないことが大切だということです。

 具体例をあげてみましょう。
 暗い地下では昼夜の区別がつきません。
 それぞれが勝手に寝たり
 起きたりしていては、規律が乱れ
 トラブルのもとになります。
 
 
 そのため、
 昼は、照明を明るめにして
 全員が同じ時間に起きる。

 夜は、照明を暗めにして
 全員が同じ時間に寝るということが必要なのです。

 これまでも作業員のリーダー的存在が、
 ルールをつくってきたということですが、
 今後も統率を保てるかがカギとなってきます。