日本テレビ「NEWS ZERO」

http://www.ntv.co.jp/zero/

イチメン 2010年8月16日 国際強盗団ピンクパンサー

週末、世界中で暗躍する国際強盗団をめぐり捜査の進展がありました。
まずは、こちらをご覧下さい。

これは拘束されていたスペインから成田空港に移送された
国際強盗団「ピンクパンサー」のメンバー、リファト容疑者です。


国際強盗団「ピンクパンサー」とは、どういった組織なのでしょうか。

ピンクパンサーのメンバーは、世界に250人近くいると言われています。
メンバーの多くは旧ユーゴスラビアの出身で、リファト容疑者もこの地域の出身です。

結束力が強く、フランスではライフル銃で武装した男2人が刑務所を襲い、
メンバー2人を奪還する事件も起きています。


そのため、今回リファト容疑者の移送は厳重な警備の中、行われました。
使われた車は、内側から防弾の盾が張られていたといいます。
その前後を台の警備車両が挟むように走ります。
さらに、上空からは2機のヘリが常に監視していました。


ピンクパンサーの被害は各国で相次いでいます。

2003年にイギリス・ロンドンの宝石店でおよそ27億円の被害が。

200年には日本でも今回の事件とは別の銀座の宝石店が襲われ、
ダイヤなど35億円相当が奪われています。

そして、2007年、同じ銀座で今回のティアラなど
2億8000万円相当が奪われた事件が起きました。

その後も、2008年にパリで宝石店が襲われ、
総額95億円相当の宝石が奪われています。

ピンクパンサーによる被害はわかっているだけで、28か国で総額350億円にものぼります。


ピンクパンサーの犯行には特徴があります。

1つは「高額な宝石を狙うこと」です。
200年に銀座の強盗事件では、奪われたのは総額35億円の宝石点だけ。

2008年のパリの事件でも奪われたのは、95億円相当の宝石のみ。
現金には手を付けませんでした。


2つめは、「周到な計画性」です。
200年の銀座の事件では、犯行の3日前に客として店を訪れ、
下見をしていたこともわかっています。

さらに、2008年のパリの事件でも、
金庫の場所や店員の名前まで事前に調べていたといいます。


度重なる被害をうけ、世界の警察の情報交換を行う
国際刑事警察機構=インターポールも動き出しました。

これはインターポールが開いた「ピンクパンサープロジェクト会議」のポスターです。
これまで5回の会議が開かれ、組織的な国際犯罪を処罰する気運が高まっていました。


しかし、リファト容疑者の引き渡しは、容易ではありませんでした。

そもそも日本は、海外に逃亡した犯罪者を引き渡してもらうための国際条約を、
アメリカと韓国の2か国としか結んでいません。

そのため、外務省を通じた「外交ルート」で拘束した
スペイン側と交渉が進められ、引き渡しが実現しました。

外交ルートでの引き渡しは、極めて異例のことです。
今回のリファト容疑者の逮捕により、組織の解明が進むことが期待されています。

以上、イチメンでした。