日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2010年8月2日 65年原爆の日

広島と長崎の
  「原爆の日」についてお伝えします。


原爆の投下から
   65年となる今年、

これまでにないほど
    2つの都市に世界が注目しています。

 


こちらは8月2日、
 原爆の日に読み上げる
     平和宣言の骨子を発表した広島市の秋葉市長です。

その会見の内容です。

「核廃絶の潮流が
 目に見えてきている。
 歴史的な8月6日なると」


秋葉市長が言う、
 歴史的な「原爆の日」とは
   どういう意味なのでしょうか?

まず、今回、
アメリカの政府関係者が
      式典に参加します。

出席するのは、ルース駐日大使。

オバマ大統領からも信頼の厚い"側近"です。

 
原爆を投下した国の代表者が
     式典に参加するのは初めてのことです。


アメリカだけではありません。


核保有国のイギリスとフランスも
     今年、初めて式典に出席します。

広島市によると現時点で過去最も多い 
          75か国が参加する予定です。


長崎についても
今年は核保有国のイギリスとフランスが
               初めて式典に出席。


こちらも
過去最も多い33か国が参加する予定です。

各国の代表だけでなく、
    国際機関からの参加も相次いでいます。

 

まず、
国連のトップ、潘基文
  (パン・ギムン)事務総長が、
 事務総長として初めて広島と長崎を訪問します。


さらに、
日本人として初めて、
IAEA=国際原子力機関のトップに就任した
  天野之弥・事務局長も出席が予定されています。

天野さんは
  以前、インタビューした際、次のように話していました。


天野さん
「日本人として事務局長に
  なったわけですから
  まず最初の年に広島、長崎の
  式典に参加すべきじゃ
  ないかなと思う。

櫻井
「もし参加した場合はその場で、
  何を伝えていかれようと?」

天野さん
 「核不拡散に対する気持ちを
  新たにできればと思います。」


"核の番人"と呼ばれる
IAEAのトップが式典に出席するのは
               初めてのことです。


このように、
今回の「原爆の日」は
これまで以上に世界から注目されているのです。

注目される理由は
     どこにあるのでしょうか?

 

外務省によりますと、
冷戦時代、旧ソ連に対抗する形で
核開発をリードしてきた
    アメリカの姿勢の変化があるといいます。


これまで核兵器は
  戦争を抑止する手段として配備されてきました。


しかし、
テロリストに核兵器を奪われる可能性や、
     新たに核兵器を開発する国が出てきたことで、

アメリカ国内では、
核兵器はむしろ安全を
    脅かすものととらえる意見が出てきたのです。


こうした意見を背景に、
世界は動きはじめています。

オバマ大統領は
2009年月、チェコのプラハで「核なき世界」を訴えました。


その1年後、
アメリカとロシアは
 新たな核兵器削減条約に署名。

さらに、
5月の核拡散防止条約=NPT再検討会議では

10年ぶりに
   最終文書を採択しています。

このように
「核なき世界」に向けた
 世界的な気運が
     高まっていることから、
今年の「原爆の日」が
  注目されているといえます。