アメリカのメキシコ湾で起こった原油流出事故の被害が拡大し続けています。
こちらをご覧下さい。
これは、油にまみれたペリカン。
事故の発生から55日たった今でも原油の流出が止まらず、
『生態系』や『地元の経済』に大きな打撃を与えています。
そして、オバマ大統領にとっても、政権を脅かしかねない
重要な問題になっています。
今回の事故は大きな被害を出していますが、
事故を起こしたBPは、これまでに、さまざまな対策を講じてきました。
そもそも爆発した海上施設は、
水深1500メートルもの深海で石油を掘っていました。
この施設が、爆発し水没。
原油を止める『安全弁』が働かず、パイプから原油が吹き出したのです。
そこで、最初に『ドーム作戦』が行われました。
噴出個所に、重さ100トン・高さ12メートルのドーム状のフタをかぶせ、
原油を吸い上げようとしたのですが、これに失敗...。
次に行われたのは、『トップキル作戦』です。
壊れた安全弁から泥などを流し込み、セメントで栓をしようとしたのですが、
こちらもうまくいきませんでした。
そこで、今月からは、新たな作戦が始まりました。
それは、流出元のパイプを切り取った上で、壊れた安全弁にフタをはめ
原油を吸い上げる作戦で、いわば『フタして吸い上げ作戦』と言えるモノです。
これで、原油の一部は回収できるようになりましたが、
つなぎ目から漏れる原油も多く、いまだに流出を完全に止めるには至っていません。
その間にも、流れ出た原油は増え続けました。
沿岸警備隊などによると、原油流出の被害は
周辺の海岸線およそ190キロ、つの州にまで広がってしまったのです。
なかなか止まらない流出に、BPだけでなく、
オバマ大統領にも、「積極的に対応しなかった」との批判が噴出。
今月発表された世論調査では、オバマ政権の対応について、
否定的な国民が69%に上っているんです。
今日から度目の現地視察を行うオバマ大統領は、
15日「今後の対応」について、国民向けテレビ演説を行う予定です。