日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2010年5月31日 中朝関係

今、中国の温家宝首相が来日しています。


 


これは5月31日朝、
 大学生とキャッチボールする温家宝首相です。

 市民との交流の後、鳩山総理と会談。
 鳩山総理は
 韓国の哨戒艦沈没事件で
 中国側の協力を求めたものとみられます。

 


会談では、
その他、東シナ海のガス田共同開発問題でも
 早期に正式な条約締結交渉に
        入ることなどで合意しました。
 
韓国の哨戒艦沈没事件への対応では、

鳩山総理が
「北朝鮮は国際社会のルールにのっとって
  厳しく非難されるべきだ」  
         と発言したのに対し、
温家宝首相は、
  対応を明確にはしませんでした。


 


今回、哨戒艦沈没をめぐり、
 北朝鮮に対して厳しい態度を示している
 韓国と日本、そしてアメリカ。

しかし中国は
「朝鮮半島の緊張が高まるのはのぞましくない。
 衝突を避けていくことがもっとも大切」と
 "慎重"な姿勢を崩していません。

これは中国が
北朝鮮に圧力をかけても反発するだけだと
 北朝鮮のことを
    よく理解しているからだということです。


では、中国と北朝鮮の関係は
      どういうものなのでしょうか。

中国と北朝鮮は
同じ共産主義として朝鮮戦争で
        一緒に戦っていました。

この友好関係は「血の友誼」、
    「血の友情」ともいわれています。


 

5月、北朝鮮の金正日総書記は、
           中国を訪問しました。
今も友好関係は続いているのです。

さらに、
 東アジアの国際政治に詳しい、
 関西学院大学の平岩俊司教授に伺ったところ、
 北朝鮮が弱体化した場合、
中国にとっては、都合が悪いといいます。

 

例えば難民です。
 中国は、北朝鮮と陸続きで隣接しています。

北朝鮮の政府や経済が不安定になれば、
 まっさきに中国へ多くの難民が
      押し寄せてくる可能性があるのです。


 


さらに中国にとって北朝鮮は、
アメリカに対する軍事的、地理的な
       防波堤になっているといいます。
というのも、
韓国には米軍が駐留しています

 

もし北朝鮮がなくなれば、
 中国は、米軍がいる国と
    隣り合わせになってしまうため、


 


中国は韓国との間に北朝鮮を
       おいておきたいのです。


このような
中国と北朝鮮の関係ですが、
 最近変わってきているという見方もあります。


 


理由は「核実験」です。
 
中国が朝鮮半島に核があることを
  いやがっているにもかかわらず、
      北朝鮮は「核実験」を強行。

これを受けて、
北朝鮮の行動が
国際社会の中で中国の
   利益を損なっているという見方が
            出てきているのです。 


 


今後、韓国は
国連安全保障理事会に哨戒艦の問題を持ち出して、
 国際社会の中で北朝鮮への圧力を
                強めようとしています。

安保理で強い影響力を持つ中国が
   どのような態度を示すかが、焦点となっているのです。