日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2010年5月2日 朝鮮半島 南北衝突の歴史

厳しい対応を決めた韓国ですが、


これは韓国が、
北朝鮮の実状などを知らせる「宣伝放送」を行うスピーカーです。


これが設置されるのは、
 南北を分ける、北緯38度の軍事境界線。

 


僕は、年前、この軍事境界線近くに取材に入りました。


軍事境界線をはさんで南北キロのエリアは、非武装地帯です。
 このときスピーカーは一時撤去されていましたが、

 韓国側では銃を持った兵士が厳重な警備を行っていました。


実は、韓国と北朝鮮は現在、休戦中。

つまり、戦争を完全に終えたわけではなく、
 国際法上は今も戦争状態なのです。


南北の間には何があったのでしょうか。
歴史を振り返ってみましょう。


第二次世界大戦終戦後の198年。

北緯38度線を境に
南にイ・スンマン大統領の大韓民国、
北にキム・イルソン首相の朝鮮民主主義人民共和国がつくられました。


そして1950年6月。
北朝鮮が、
軍事境界線を越えたことにより、朝鮮戦争が始まりました。


この朝鮮戦争は
単なる南北の戦争ではありませんでした。


実は韓国側には
  アメリカを中心とした国連が、

北朝鮮側には
  中国と当時のソ連がついており、

いわば、資本主義対共産主義の戦争だったのです。

朝鮮戦争は当時、
 数百万人の死者を出しました。

戦火が収まったのは1953年7月。

国連と
北朝鮮、中国が
休戦協定に調印したのです。


このため
南北は、北緯38度線で分断されたまま。

現在の状況が生まれました。

 


ここで問題となるのが、海上の軍事境界線です。


休戦協定で海の境界線が明確に決められなかったため、
韓国側はここ、
北朝鮮はここと
双方の主張が食い違っているのです。

そのため、海上では度々、
船同士が発砲し合う
  激しい衝突が起きています。

1999年6月には、北朝鮮の魚雷艇が炎上。

2002年6月には韓国の警備艇が沈没しました。

さらに2009年11月には、
北朝鮮の警備艇が破損しています。


そして、2010年3月、韓国の哨戒艦が沈没。


韓国は、
北朝鮮の魚雷によるものと断定し、
  厳しい対応をとると発表したのです。


朝鮮半島の緊迫状態は続いています。

今後の情勢を注意して見守りたいと思います。