日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2010年4月5日 イラン核問題

 オバマ大統領の
 プラハ演説から4月5日で一年。
 きょうはイランの核問題について
 お伝えします。

 これは、イランのアハマディネジャド大統領です。
 イランに対し、
 国連で新たな経済制裁を加える動きが
 強まっていることに、
 月日、強い反発を示しました。
 一体どういうことなのか、
 詳しく見ていきましょう。

 核兵器を減らすため
 今、世界には核不拡散条約(NPT)
 というものがあります。
 
 その中身は、
 核を持っている国は核を減らし、
 核を持っていない国には
 核を持たせないというものです。

 「核を減らす」話は、3月29日お伝えした、
 アメリカとロシアの戦略兵器削減条約です。
 これは、3日後の月8日に
 調印式が予定されています。

 一方、「核を持たせない」という話が、
 今回のイラン核問題です。

 イランは、この核不拡散条約に加盟しながら、
 違反しているのではと疑われているのです。

 イランは原子力発電用として、
 核兵器を作れる量の
 低濃縮ウランを持っています。。

 これを濃縮、つまり濃度を高めると
 医療用に使う燃料となります。
 イランはこのような
 核の平和利用しか
 していないと主張していますが、
 この濃縮する技術を持っていること自体が問題なのです。
 なぜかというと

 この低濃縮ウランは、
 さらに濃度を高め続けると、
 核兵器にもなります。
 
 そのため、国連がイランに対し、
 濃縮をやめるよう働きかけているのです。

 一方"核の番人"といわれる
 国際原子力機関IAEAは、
 イランに対し、低濃縮ウランをいったん
 国外へ持ち出し、

 核兵器に変えられない、
 燃料の状態にして返すという
 国外持ち出し案を提案していました。

 この案について
 日本人として初めて
 IAEAの事務局長に
 就任した天野氏に、去年の年末

 Q:そもそも国外持ち出し案
   IAEAが提示していますが
   その方針は、今後も継続しますか?

■IAEI天野事務局長
 A:そうですね。
   それに対するイランの回答を
   待っている状況です。
   非常に公平な案だと思います。


 しかしその後、イランは
IAEAの提案と折りあいが合わず平行線。

 さらにことし2月、 国連にも反発して、
 濃縮をやめるどころか、
 むしろ濃度を高めたと宣言したのです。

 これにより国連で
 経済制裁を加える動きが
 強まっています。
 国連の常任理事国のうち
 アメリカ、フランス、
 イギリスは制裁に賛成の立場。
 ロシアと中国は、これまで
 反対してきました。


 
 しかし、イランが2月に
 ウランの濃度を高めたと宣言したことで、
 ロシアが
 「制裁もありうる」という態度に変わりました。

 残る中国ですが、
 多くの原油を輸入しているイランに配慮し、
 これまで制裁の協議に応じていませんでした。
 
 しかし、先週、
 胡錦濤国家主席が一転、
 制裁の協議に応じる姿勢を示しました。

 アメリカとフランスは、
 数週間以内に
 この制裁を
 採択することで一致しています。

 協議では、
 日本が議長国となり、
 その手腕が問われることになりそうです。