日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2009年12月14日 COP15"温暖化"の行方 世界は団結できるのか?

今デンマークのコペンハーゲンで、国連・気候変動枠組み条約の
第15回締約国会議COP15が開かれています。こちらをご覧下さい。

これは、そのメイン会場です。
およそ190の国と地域が集まり、
京都議定書が定めた2012年までの削減目標のその後
つまり2013年以降
各国がどのように行動し、温室効果ガスを削減していくのか?を決めようとしています。

議論が始まり1週間。
交渉が難航していることから、議長が、合意の叩き台となる『合意案』を示しました。

それによると、京都議定書の延長が基本です。
そもそも京都議定書では、日本やEUなどの先進国だけに削減義務が課されていました。
これが延長されれば、2013年以降もその義務は、続くことになります。

先進国は、排出削減を 約束しなければならない。 
つまり、義務があります。

発展途上国は、削減するための行動をしてもよい
つまり、義務がありません。

この案に、中国やブラジルなどの発展途上国は、ほぼ一致して、賛成しています。
一方、日本やEUなどは、「不公平だ」と反対しています。
これで決定ではありませんが、
仮に、この合意案のまま議論が進んだ場合、
日本政府にとって、最も避けたい結論になりかねないんです。

鳩山総理は今年9月の国連総会で
「1990年に比べ25%削減する。」という目標を掲げました。
しかし、その前提条件として、
すべての主要国が参加して、 公平かつ実効性のある枠組みを作ること
を挙げています。
この『公平』と『実効性』がポイントです。

こちらは、二酸化炭素の世界の排出量に占める各国の割合ですが...

アメリカと中国が、共に20%
2か国だけで実に、世界全体の40%を排出しているんです。
アメリカは先進国ですが、削減義務を定めた京都議定書を批准していません。
中国は、批准していますが、途上国なので削減義務がありません。

アメリカと中国を含め、現在、削減義務のない国が占める割合は、 実に71%にのぼります。

一方、義務があるのは、緑に塗られた日本やEUなど、すべてを足しても29%に過ぎません。

日本などは、京都議定書の枠組みが単純に延長されるだけだと、
青で塗られた国々には、削減義務が無いため『不公平だ』と主張。
一部の国にしか義務が無いと、
温室効果ガスの削減にも『実効性が無い』と反対しているのです。

さらに『公平』という視点では、こんなデータもあります。

二酸化炭素を1㌧削減するために、  
各国が必要とするお金を、日本の研究機関が比較したところ...

EUは、最大でも135ドル
アメリカは、60ドル
中国は3ドル以下で削減できるのに対し...

日本は、なんと476ドルもかかるというのです。

これは、すでに省エネを進めてきた日本は、
ほかの国に比べ、『お金をかけず』『簡単に』削減できないからとも言われています。

負担の「公平性」について、各国の思惑が入り乱れているんですね。

今週金曜日には、首脳級会合も行われ、
いよいよ山場を迎えるCOP15に注目です。

以上、イチメン!でした。