日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2009年11月23日 EU初代大統領

大統領に選ばれたのは
ベルギーのヘルマン・ファンロンパイ首相
「俳句が趣味」だという62歳です。

リーダーシップを発揮するというよりも、
みんなの意見を聞いて、バランスをとる
「意見調整型」といわれています。

この大統領の選出方法ですが、 
EU加盟国の首脳が本部に集まり、
選挙ではなく話し合いで、大統領を選びました。

では、そもそもEUとは、どういうものなのでしょうか。

EUはヨーロピアン・ユニオンの略ですが、
ヨーロッパの国々が経済通貨の統合を目指すとともに、
より幅広い協力を進める「政治・経済統合体」となったものです。

EUとなった1993年当時、 加盟国は12か国でしたが、

その後増え続け2007年には、27か国になっています。

これらの国々のトップとして
大統領が選ばれたわけですが、 
実は、大統領というのは通称で、 
正式名称は「欧州理事会・常任議長」なのです。

「欧州理事会」とは、1年に4回開かれる
加盟国の首脳会議で、
「金融危機」や「地球温暖化」への対策など、
大きな方針を決めています。

しかし、このトップである「議長」の  
任期がわずか半年で、
ころころ変わるため、
EUの方針に一貫性がないという声が
上がってました。

そこで、この「議長」の任期を2年半にのばし、
「常任議長」とすることになったのです。

このポストの創設ですが、実は、大きなEU改革となる
「リスボン条約」に含まれる一部なのです。

「リスボン条約」は、「加盟国の増加」や
テロ、気候変動など「新たな課題」に対応するため、 
これまでの条約をさらに改定するものです。

その内容には二つの大きなポイントがあります。

一つめはEUの顔をつくることです。
この条約では、「欧州理事会・常任議長」の他に、
外務大臣にあたる、「外務・安全保障上級代表」も創設されます。

彼らを、EUの代表として国際会議に出席させ、
EUの「顔」として定着させようとしているのです。

さらに、もう一つのポイントは「多数決の導入」です。
これまで、EUの中で方針を決める際、
多くの場合、
加盟国の全てが一致しなければ決められませんでした。

リスボン条約では、多数決で決定できる
政策の範囲を広げ、意思決定を素早く
行うとしているのです。