日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2009年8月3日 裁判員は何を判断?

私たちから選ばれる裁判員。
今後、何をどうやって判断していくのでしょうか?
まずはこちらをご覧下さい。

これは以前、僕が取材した東京地裁の「評議室」という部屋です。

実は、裁判員6人は法廷内での裁判が終わると、
この部屋に移って裁判官と共に、判決内容を決めることになるんです。

今回の日程を見てみましょう。

4日目に判決が下されるスピード裁判ですが、
3日目に裁判の審理を終えると、
その後、さきほどの評議室に移ります。
裁判員と裁判官が話し合い、
判決を決める評議が 行われるんです。

評議では、まず、
被告人が「有罪」か「無罪」かを十分に議論し、
多数決をとります。

「有罪」と判断された場合、次に、二つのこと
 決めなければいけません。
 
ひとつは懲役を何年にするかなどの「量刑」。

そしてもうひとつは、実際に刑務所に入ることになる「実刑」なのか、
それとも一定の期間を与え、その期間、
被告人が悪いことをしなければ、刑を執行しない「執行猶予」にするかです。

これらを議論し最終的に決定した上で、判決を下すんです。

では、どのような形で行われるのでしょうか?

実は、評議の進め方は裁判官によってバラバラなんです。

これまでに模擬裁判を10回以上、取材した記者によると、
裁判官には、自分で評議を取り仕切る「司会者タイプ」。

裁判員に自由に討論させる「自由討論タイプ」など様々なタイプがいるということです。

さらに、どのくらいの懲役にするのか難しい場合、
こんなシステムを活用する人もいます。

それは、過去の事件のデータを集めた「量刑分布検索システム」です。
例えば、今回の事件でいうと「殺人」や「ナイフ」などのキーワードを入力します。

すると、過去に起こった似たような事件の判決が複数出てきます。
これを裁判員に参考として見せる場合もあるんです。

このように、評議には定まった形がなく、どのように行われるかは、
裁判官、そして参加する裁判員によって変わってくるんです。

では、裁判員は、何を基準に判断を下せばいいのでしょうか?

裁判員制度は「一般国民の感覚・常識を裁判に反映」させることを
ひとつの目的としています。

つまり、裁判員は、自分自身の「経験」などからくる「社会常識」で
判断を下せばいいんです。

今回の裁判で裁判員がどのような判断を下すのか、注目したいと思います。


以上イチメンでした。