日本テレビ「NEWS ZERO」

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イチメン 2009年7月13日 改正臓器移植法

 

これは、人工呼吸器の画像です。
実は、脳死は、この人工呼吸器が開発された事で、
生まれたとも言えるんです。

そもそも人が死亡する時は、
ほとんどの場合、先に心臓が止まります。
その結果、脳に血液が廻らなくなって、
脳も死んでしまうという順番です。

しかし、交通事故で
頭を強く打った場合などは、
心臓が止まるより先に、
脳が死んでしまうことがあります。
人工呼吸器など医療の進歩で、
脳がすべて死んでも数日は、
心臓が動いているケースが出てきたんです。
これが『脳死』です。

脳死を経て亡くなる人の割合は0.4%で、
年間およそ4600人と推計されています。
今回の改正は、この脳死も人の死とすることで、
本人の意思が分からなくても家族の同意があれば
臓器を提供できると変えたのです。
この『心臓死』と『脳死』の差は、  
移植できる臓器の『種類』にも現れます。

心臓が止まってからの移植は、
『腎臓(じんぞう)』
『膵臓(すいぞう)』 
『眼球(がんきゅう)』
の3つに限られています。

一方で、脳死だと、
臓器に血が巡っているため
『心臓(しんぞう)』
『肺(はい)』
『肝臓(かんぞう)』
『小腸(しょうちょう)』と4つ、 
移植できる臓器が増えるのです。

では、その『脳死』とは、
どうやって判断するのでしょうか?

脳死の判定は、2人以上の医師によって行われます。

検査項目は、
①まゆ毛の下を
 ピンで刺しても反応しない
 『深いこん睡状態』であること。
②目の瞳孔が
 4ミリ以上開いていて、
 光を当てても収縮しないこと。
③気管に管を入れても
 咳き込まない。
 など、人間の基本的な生命活動を
 維持している『脳幹』が
 刺激に反応しないこと。
④脳の活動を示す
 脳波が平坦であること。
⑤人工呼吸器を必要とし、
 自分で呼吸ができないこと。

これらの検査を、
6時間以上の間隔をあけて
もう一度、調べても、すべて当てはまったら脳死と判定されます。
つまり、今後は、たとえ心臓が動いていても
この条件を満たした場合は、 
『人は死んだ』と判断されるのです