日本テレビ「NEWS ZERO」

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6月15日イチメン 北朝鮮ウラン濃縮

 

こちらをご覧下さい。これは、「ウラン鉱石」です。
暗くして、紫外線を当てると...
ウランの部分がこのようにきれいに発光します。
ガラス細工などにも使われているものなんです。
自然界にあるもので、
ウラン成分も極めて低く、
安全ということで専門家の方にお借りしてきました。

この石に含まれるウランが、
原子力発電として平和に使われる一方で、
実は、『核爆弾』の原材料ともなっているんです。
この「ウラン」をめぐって今、北朝鮮が新たな声明を出したんです。
「いまや核の放棄は絶対にありえない」
「ウラン濃縮作業に着手する」

国連の安全保障理事会で
北朝鮮への制裁が決まったことを受けて、
「ウラン濃縮」という新たな核開発を行うと
初めて公言したんです。
きょうは、この「ウラン」について、考えていきます。

そもそも、核爆弾には
「プルトニウム型」と「ウラン型」の2種類があります。
日本が長崎に投下されたのがプルトニウム型、
広島は、ウラン型の核爆弾でした。

これまで北朝鮮の核と言えば、
全て、プルトニウム型の核開発でした。
先月北朝鮮が行った核実験はプルトニウム型。
ニュースでよく流れる北朝鮮の核施設も
プルトニウム型のもの。
去年、爆破して使えないようにしたのも
プルトニウム型の核関連施設なんです。
ウラン型に関してはこれまで公には
認めていなかったんです

核爆弾は、もともとは両方とも、
さきほどの「ウラン鉱石」から作られます。
北朝鮮の国内では、天然のウランが取れますので、
材料の調達は簡単なんです。

まず「プルトニウム型」ですが、これは、
ウランを原子炉で燃やして科学的に再処理をし、
『プルトニウム』を取り出します。   
これが核爆弾になるんです。

これに対して今回、
北朝鮮が新たに宣言したのが「ウラン型」。
核爆弾に使えるわずかな物質を
遠心分離機にかけ、濃度をあげます。
濃縮したウランから核爆弾が出来るのです。
プルトニウム型は取り出すのは
比較的簡単なのですが、
ウラン型は、高度な技術が
必要とされ、難しいとれています。

では、なぜ北朝鮮は、「ウラン濃縮」という
新たな核開発に乗り出すのでしょうか。

最大の理由は、
「見つかりにくいこと」なんです。
原子炉を使う「プルトニウム型」とは違い、
「ウラン型」は電気で遠心分離機を動かすだけなので、
煙も出ないし、人工衛星から見えない地下に工場を作ることも可能です。
秘密が保ちやすいんです。

こうした事態が進めば、世界にとっても脅威となりますよ