日本テレビ「NEWS ZERO」

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5月25日イチメン オバマ大統領なぜ核軍縮

北朝鮮が核実験に踏み切ったと見られていますが、
これは核兵器を開発するためだと言われています。

では、いま、世界の核兵器は、
どういう状況になっているのでしょうか?
こちらをご覧下さい。

これは、先週オバマ大統領が
歴代の政権で中枢にいた
重鎮4人と会談した時の様子です。その時、こんな発言がありました。

「北朝鮮やイランが核兵器を開発している今、
 最終的には核兵器を廃絶するために、 
 急いで対応する必要がある。」

「核兵器のない世界を目指す」と改めて強調したのです。

そもそも核兵器をめぐる世界の動きは
どのようなモノ
だったのでしょうか?

1970年に結ばれた条約が
『NPT』核兵器不拡散条約です。これは、核兵器を持つ国を
増やさないための条約で、現在190か国が加盟しています。
NPTでは、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5か国だけ
核兵器を持つことを認め、
その他の国には、核兵器を持つことを禁じています。

NPTで許されている5か国が持つ核弾頭の数は、このようになっています。
アメリカが4075発、ロシアが5189発、
この2か国で全体の9割を超す核弾頭を持っています。

そして、NPTに加盟していない国では、
領土問題を抱えるインドとパキスタンが、それぞれ60発以上、
また、イスラエルも100発ほどの核弾頭を配備していると
                          言われています。

さらに、イランは、NPTに加盟しているにも関わらず
「核の平和利用だ」と主張し核兵器を開発している疑惑があります。
そして、北朝鮮は、2003年にNPTからの脱退を表明し、
きょうを含め2回の核実験に踏み切ったのです。

こういった状況に対して
「NPTでは核兵器が世界に広がることを防げないのではないか?」
という声が出ていました。


そこで、核兵器を持つ『前の段階』での規制が必要という声が高まり、
いま議論されているのが包括的核実験禁止条約、通称・CTBTです。 
これは核兵器の前段階の『核実験』を禁止する条約です。

しかし、このCTBTは、まだ条約として効力がありません。
核兵器を持つアメリカや中国などが、
この条約を拒否しているからです。

アメリカは、ブッシュ大統領の時代に、
「核兵器の信頼性を確保するためには核実験は必要だ」
と主張していたのです。

ところが、オバマ大統領になって一転、大きく方針転換。
先ほどあったように、今年4月、チェコのプラハで、
「アメリカは、CTBTに加わるために、まい進する」
と宣言しました。
自らが率先してCTBTに加わることで、『核のない世界』の実現へ
行動を始めようとしていたのです。