日本テレビ「NEWS ZERO」

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4月20日イチメン 農家悲鳴 受粉ハチが大量死

まずはこちらをご覧下さい。
これはお借りしてきた本物の「ミツバチ」です。
このケースの中には全部で2000匹いますが、
このミツバチが今、日本中で1億匹以上いなくなってしまっているんです。 

 

今、ミツバチが「大量死」するという異常事態が起きています。
そして、その影響でことしの夏、果物などの値段が上がってしまうかもしれないんです。
きょうはこの問題について考えていきます。  
 


養蜂場のミツバチはハチミツを作るだけでなく、
実は農家に売られたり、貸し出されたりしています。
農家では、ミツバチを使って受粉を行い、
すいかやサクランボなどの果物や、
ナスやカボチャなどの野菜の実が作られるのです。

しかし、このミツバチの数は
この3年間は安定していたのですが、
去年、14%も減ってしまいました。
一体なぜ、ミツバチが減ってしまったのでしょうか。

こちらをご覧下さい。
おととし岩手県でミツバチが大量死した直後に撮影した写真です。
ここに映っている全て死んでしまっています。

このミツバチ大量死の
原因として考えられているのは...
①ミツバチを死に至らすほどの大量のダニの発生や
②農薬の被害、などと言われていますが
はっきりとした原因はまだわかっていません。

そして、もう一つ。
そもそも日本はミツバチの16%をオーストラリアから輸入しているんですが、

おととし、オーストラリアでミツバチの伝染病が発生し、
輸入を停止したことも影響しています。


   
今月発表された調査によると全国の21都県で
「ミツバチが不足している」という結果が出ています。
その一つ千葉県は、スイカの生産量全国2位ですが、
スイカ農家の7割が ミツバチの受粉に頼っています。
どのような影響があるのか、きょう話を聞きに行きました。

スイカ農家歴23年の村田さんです。
「今年はミツバチの価格が高騰しているんで
 手作業でやっています」

これまで全てミツバチが受粉してきましたが、
ことしは、農地の半分を手作業で受粉しているということです。
ミツバチの値段は去年は1匹2.5円でしたがことしは1匹4.3円。
倍近く高くなってしまったからなんです。

村田さん
「農家としてみれば少しでも(すいかを)
 高く売って頂ければ幸いです」

ミツバチが減ると、
ミツバチ自体の値段が上がります。
手作業で受粉しても人件費がかかってしまいます。
こうしてコストが上がることによって
果物や野菜の値段があがる可能性が出てきます。
実際に値段をつける青果市場も今後、もし生産量が減れば
値段が上がる可能性があると話しています。

政府も、この異常事態に緊急の対策を行っています。
・まずミツバチを余っている地域から不足しているところへ移す
・農家が国の資金から低金利で融資を受けられるようにする
・さらに、アルゼンチンからミツバチの輸入も交渉中です。

今後、このミツバチ不足の影響を
最小限におさえるためにも政府は対策と同時に
ミツバチ大量死の原因究明を進めていくことになります。

以上、イチメンでした。