これは日本テレビ報道フロアにある情報システム
『Em-Net』の端末です。ミサイル攻撃やテロなど
緊急情報を受信するためのモノです。
このEm-Netは、テレビやラジオなど公共の報道機関と政府を繋いでいますが、
そもそもは、政府と市町村などの自治体を結ぶ緊急情報ネットワークなんです。
政府からの情報を受信すると、アラームで知らせる機能が付いていて、
情報を受けた自治体は、防災無線などで住民に情報を伝えることになります。
このシステムは、今回、使われた場合は、
訓練以外で、初めて運用されることになるんです。
では、そもそもどうやってミサイルの発射情報は伝わるかというと
まずミサイルが発射されたら
アメリカの早期警戒衛星がその噴射される "熱源"を赤外線で探知します。
その情報は、アメリカコロラド州にあるNORADという軍事施設に集められ、
ここから日本の防衛省に伝えられます。
その後、官邸へと伝わり、ここでEm-Netの登場となります。
情報を確認した後は、官邸の担当者がボタンを押して、
市町村に一斉に情報を送ります。
Em-Netで伝えるのは、ここまで。
実際に住民に伝える具体的な方法は各市町村に任されています。
肝心の情報が伝わる"早さ"ですが、
政府は、アメリカからの情報が官邸に届くまで
5分~10分かかると見ています。
Em-Netで自治体に届くのに、さらに1分、合計で6分~11分かかります。
そこから市町村が住民に伝えるには、さらに時間がかかることになります。
政府はミサイルが日本に落ちてくる可能性は
極めて低いと見ていますが、
万が一、日本に落ちてくる場合、その時間は、
発射されてからおよそ10分と言われています。
つまり、発射したという情報が伝えられるころには、日本の上空を通りすぎるにしろ、
万が一、日本に落ちて来るにしろ すでに"終わった後"になる可能性が高いのです。
そこで政府は、Em-Netでメディアにも発射情報を伝えようとしています。
自治体よりもテレビやラジオの方が少しでも早く国民に伝えられると考えたのです。
また、報道機関は、政府からの情報以外にも
独自の取材を通じてより早く国民に伝える方針です。
河村官房長官も、
『ラジオ、テレビが一斉に報じていただけると思っている。
国民はその情報に注意してもらいたい』と発言しています