日本テレビ「NEWS ZERO」

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3月23日イチメン 政・労・使が"雇用"でタッグ

雇用の安定に向けて7年ぶりのタッグが組まれました。

真ん中は「政治」の代表である麻生首相。
右は「労働者」の代表=連合の高木会長。
左は「使用者」である企業の代表=経団連の御手洗会長。
3者が固い握手を交わしています。
特に、労働者と企業は対立することも多いのですが
きょう23日、この「政・労・使」が手を組んで
7年ぶりに合意文書をまとめました。

この合意文書には世界同時不況に立ち向かうために、
政・労・使が「雇用の安定」に向けて最大限の努力をすると書いてあります。

さらに、その中心として挙げられたのが
「日本型ワークシェアリング」の強力な推進です。

ではまず「ワークシェアリング」とは
どんなイメージなのか説明したいと思います。

ワークシェアリングとは日本語にすれば
「仕事の分かち合い」です。

例えば、これまではAさんBさんCさんの3人が
9台の車を作っていたとします。

しかし、このところの不景気で3台の減産が決まりました。
このままではCさんは解雇されることになってしまいます。

そこで、1人1台ずつ生産を減らすことで
6台を作ればCさんは解雇されずにすみます。
これがワークシェアリングの基本的な考え方です。

このようにワークシェアリングには
働き手を失業させない=「雇用が守られる」というメリットがある一方で、
1人あたりの労働時間は減るため
「労働者の賃金が減ってしまう」というデメリットもあります。

では、賃金が減るかもしれないワークシェアリングを
労働者側はなぜ受け入れたのでしょうか?
連合はこう説明しています。

「日本型ワークシェアリングって何?と言ったら

雇用調整、生産調整に対する"緊急型の雇用維持"」

つまり、労働者側は
「これだけの世界的な不況では雇用の維持が一番大切
「失業するくらいなら一時的な賃金カットの方がまし
との考え方で今回はワークシェアリングを受け入れたということです。

では、3者がどう協力するかと言うと。

「使」=企業側は経営が厳しくても
《残業を減らしたり》《休みを増やしたり》することで
安易に人切りをしない、つまり、いま働いている人の雇用を守る

「政」=政府はワークシェアリングを導入した企業へ
《助成金》を増やすなど企業・労働者をお金の面で支える。
現在、日本の失業率は4.1%(1月現在)ですが、
政府はこれ以上「失業者を増やさない」ことを目標にしています。

こうして、政・労・使が手を取り合って
日本型ワークシェアリングの推進に向けて
努力しようとしているのです。

村尾さんからはこんな話がありました。
『今回の政労使合意は雇用危機に立ち向かう第一歩として評価出来る。
ただ、ワークシェアリングによって労働者間で仕事を調整する時には、
労働者に負担を強いることになりかねない』
『また、企業側が働く人の為に新たな仕事を創出したり支援する時には
政府も支援を約束しており私たちの税金が使われることになる』
『こうした事情をきちんと踏まえて経営側もギリギリの経営努力をするとともに、
企業の財務内容をきちんと開示するなど透明性の確保、
説明責任に努める姿勢をしっかりみせてほしい』

日本型ワークシェアリング。狙い通りに進むでしょうか?
以上、イチメンでした。