日本テレビ「NEWS ZERO」

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3月9日イチメン 北朝鮮"テポドン"発射準備?

北朝鮮には現在、日本にとって見過ごせない動きがあります。

真ん中に塔のようなものが見えますが...、
これは北朝鮮の舞水端里(ムスダンリ)という場所にある
ミサイル発射台の最新写真です。

実は、今から数週間以内に北朝鮮がここから弾道ミサイルを
撃つのではないかと心配されているんです。

2週間ほど前。北朝鮮は
「人工衛星を打ち上げるための準備作業を本格的に行っている」と
異例の「人工衛星打ち上げ予告」を行いました。

ところが、北朝鮮が人工衛星だというこの物体。
専門家の多くは「テポドン2号」と呼ばれる
弾道ミサイルと見ているんです。

北朝鮮は、これまでも人工衛星の打ち上げと言って
ミサイルの発射を行っています。

1993年には「ノドン」というミサイルを日本海に。

1998年には「テポドン1号」を発射して
なんと日本列島を飛び越えて太平洋に落ちたと見られています。

そして、2006年には「テポドン2号」を発射しました。
しかし、これは発射数十秒後に墜落。
発射は「失敗」に終わっています。

では、なぜまた北朝鮮は「テポドン2号」を
撃とうとしているのでしょうか?

テポドン2号の射程はおよそ6000キロ。

これは、アメリカの最北端アラスカを狙えるとされています。
つまり、テポドン2号が意識するのは日本ではなく「アメリカ」
そのアメリカといえばオバマ新大統領が就任したばかり。

北朝鮮には発射を成功させて、これから始まる
「オバマ新政権との関係を優位にしたい」
という狙いがあると見られています。

9日に始まった米韓合同軍事演習は今月20日まで。
一方来月には、北朝鮮の国会に当たる
「最高人民会議」が開かれます。

北朝鮮には発射に成功することで
「国の威信を国民に示したい」というもう1つの狙いもあります。
これから数週間で、いつ発射が行われても不思議はない
緊迫した状況になっているのです。

では、もし北朝鮮がミサイルを発射したら、
その時日本はどのような対応を取るのでしょうか?
麻生首相はこう語っています。


【麻生首相(先週月曜日・2日)】


【浜田防衛相(先週火曜日・3日)】

もし、万が一日本に落ちてくる場合は
「迎撃ミサイルで撃ち落とす」ことを検討しているというのが
日本政府の立場なんです。

実際に防衛省も、まずは日本海上のイージス艦を使って迎撃、
次に陸上のパトリオットミサイルを使って迎撃する備えをしています。

ところがきょう・9日。北朝鮮は
「我が人工衛星に対して迎撃をするなら
日米韓への『正義の報復打撃戦』を開始する」

つまり実力行使も辞さないと警告しました。
日本は今後非常に難しい判断を迫られる可能性があるのです。


もし、日本が迎撃ミサイルを発射するような事態になれば
戦後初めての大きな出来事になります。
今後も注目して見守る必要がありそうです。
以上イチメンでした。