日本テレビ「NEWS ZERO」

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11月3日イチメン"保育所不足"の問題

きょうのイチメンは、こちらです。

先週金曜日、
『ハッピースマイル』という保育所や学童クラブなど29か所の閉鎖が突然発表されました。
保育所以外にも多角的に事業展開していた運営会社の経営難が原因ですが
この閉鎖で行き先のない子供も出ています。
保育所不足が問題になっている今
別の受け入れ先を探すのも簡単ではありません。

保育所とは、共働きやひとり親の家庭が
働いている間に子供を預ける施設ですが、その保育所には
『認可』と『認可外』の2種類があります。

『認可保育所』は施設に「子供が遊べる庭がある」など
厳しい基準を満たした保育所で利用児童数は全国で約200万人。
国や自治体の公費で運営されるため保護者の利用料は、
比較的、安くて済みます。

一方『認可外保育所』は、これらの基準を満たさない保育所で
利用数は約23万人。国による補助がないため認可に比べ利用料は
『割高』になってしまいます。ハッピースマイルはこの認可外でした。
施設が整っていて安い認可保育所ですが、
どこも満杯で、空きを待っている子ども、
いわゆる『待機児童』がかなりの数に上っています。

国の調査では把握しているだけで約2万人。
しかし実際には仕方なく認可外保育所に預けたり
仕事を諦めて自宅で育てている数を含めると、
その数は約100万人に上るとも推定されているんです。
この待機児童ですが、実はおよそ8割が都市部の子供です。

都市部では、『認可』の基準通りに施設に庭を作ることなどが
立地条件から難しいため、認可外保育所を増やすことで対応しようとしています。
東京都や横浜市などは、認可外保育所の中でも一定の基準を満たす施設に
『認証保育所』などの名前で"お墨付き"を与えて補助金を出すことにより
この認可外保育所の数を増やそうとしています。
『ハッピースマイル』も東京や川崎のいくつかではこのお墨付きを得ていました。

この様な取り組みの結果、『認可』『認可外』共に数は増えてきているんですが
待機児童は今年の調査で、減るどころか増えたことが分かりました。
そもそも少子化で子供の数は減っているのに
なぜ待機児童は増えているのでしょうか?

それは、
仕事と子育てを両立させたい母親が増えているからなんです。
青い線は、子供を持つ母親が専業主婦である世帯数。
赤い線は、共働きの世帯数です。
最近は、共働きが増え続けています。
これは、妊娠出産=退職ではなく、
出産後も職場に復帰したい女性が増えている事を現しています。
つまり、保育所が増えている以上に保育所を必要とする家庭が増えているというわけです。

若い世代が安心して子供を産むにも
保育所を充実を急ぐ必要があるのではないでしょうか。
以上イチメンでした