日本テレビ「NEWS ZERO」

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10月20日イチメン 米大統領選の"落とし穴"?

オバマ候補優勢で進む大統領選挙ですが、
果たしてこのままゴールを迎えるのでしょうか?

これは今回の大統領選で実際に使われる投票用紙です。
まずはカリフォルニア州のもの。
入試などで使うマークシートのようですが、
実は、大統領選の投票用紙、州によって全然違います

ネブラスカ州のものはこのような形。
候補者名の脇にマークをするようになっています。


さて、20日の時点での支持率は
オバマ候補50%マケイン候補44%。
優勢が伝えられるオバマ候補なんですが、
一方で、過去にはこんなエピソードがありました。

それは「ブラッドリー効果」と呼ばれています。
トム・ブラッドリー氏はロサンゼルスの市長に5回当選、
20年も務めた有名な黒人の市長でした。

そのブラッドリー氏は1982年。
満を持してカリフォルニアの州知事選挙に立候補。
事前の世論調査では大きなリードが伝えられ
投票日当日の出口調査でも優勢だったため、
地元メディアは「当選確実」と報じました。

ところが。開票の結果、ブラッドリー氏はまさかの落選。
対立の白人候補が当選したのです。

世論調査などに対しては「黒人候補に投票する」と答える一方で、
実際には投票をしなかった...。
そこには、アメリカ人の「建前」「本音」が現れている、とされます。
黒人初の大統領を目指すオバマ候補も
このブラッドリー効果が思わぬ落とし穴になるかもしれません。

また、2000年には
「得票数で勝ったのに大統領になれなかった候補」もいました。
それは、去年ノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア氏です。

2000年の大統領選挙でゴア候補は全米の得票数(つまり、実際に有権者が投票した数)では
ブッシュ候補におよそ50万票勝っていました。
しかし、アメリカの大統領選挙は
得票数ではなく「選挙人」を奪い合う戦い
です。

この時最後まで開票作業がもつれたフロリダ州でブッシュ候補が勝利。
「選挙人」わずか5人差でゴア候補は大統領を逃したのです。


今回、その選挙人の数は全米で538人。
最多はカリフォルニア州の55人。
一番少ない州でも最低3人の選挙人が割り振られています。
これは、人口の多い州にたくさんの選挙人を割り振る一方、
小さな州でも最低3人の選挙人を付けることで、
候補者が「すべての州を無視できない」ようにしたということなのです。

そして、これら選挙人を獲得するために
候補者は「各州ごと」に勝ち負けを決めていきます。
勝った候補が選挙人を「総取り」できる州が多いため
2000年のようなドラマが生まれてきました。
11月4日の投票日まで目の離せない戦いが続きます。
以上、イチメンでした。