日本テレビ「NEWS ZERO」

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10月13日イチメン "金融危機"どう立ち向かう?

アメリカで現在発生している金融危機は
日本にも影響を及ぼしかねないところまで来ています。
この危機を止めようと、新興国も含めた
世界が協調しようという動きも出てきています。

では、過去の経済危機に対して
世界はどう立ち向かってきたのでしょうか。

1929年にアメリカで起きた「大恐慌」。
仕事を求める人々で長い列ができています。
今現在、日本にも影響が及びつつある金融危機は、
この「大恐慌以来の危機」と言う人もいます。
では、恐慌とは一体どんな状態なのでしょうか?

経済は「好景気」から「不景気」そしてまた「好景気」という
サイクルを繰り返すと言われますが、
中でも景気後退から不景気に移る際、
「株の暴落」そして「恐慌」が起こることがあります。

「恐慌」とは急激な景気の悪化が引き起こす「パニック」のこと。
影響は私たちの暮らしにまで及んでモノが売れなくなり、
銀行や企業の経営が破たん。大量の失業者を生むなど
社会全体が大きな不安に包まれます。

そして、これまで人類が経験した最大の恐慌が
先ほど写真でも見た「世界大恐慌」です。

1929年10月24日。
米・ニューヨーク株式市場で起きた
株の大暴落をきっかけにアメリカの経済がパニックになり
失業率はなんと25%にも達しました。
労働者の4人に1人が仕事が見つからないという
とてつもない状態です。

影響はアメリカにとどまらず世界中に貧困や不安、不満があふれ
のちの「第二次世界大戦」につながったとする学説もあります。

この大恐慌と今回の経済危機で似ている点を見てみると、
●「アメリカで発生し世界に影響が広がった」
●「モノの値段が上がりすぎるバブルがきっかけ」
●「銀行などの金融機関が経営危機に陥っている」など、
たしかにいくつかあります。

当時は、アメリカのフーバー大統領が
経済を救うための有効な対策を打たなかったため
恐慌が世界に広がったと言われています。

一方で、過去には株価が大暴落しても
一般市民の生活までは影響が及ばなかった例もあります。

それが「ブラックマンデー」です。

1987年10月19日月曜日。
アメリカのダウ平均株価が1日で508ドルも大暴落しました。
この時記録した下落率22.6%は
現在も破られていない過去最大規模の暴落。

この影響で日本の日経平均株価も
翌日に3836円安とこれまた史上最大の下げ幅を記録。
世界に「大恐慌の再来か」と不安が広がりました。

しかし!暴落の翌日朝、
アメリカの中央銀行FRB(連邦準備制度理事会)は緊急声明を発表。
「経済・金融システムを支えるため
市場に資金を提供する」と力強く宣言しました。
その後、株価はこれ以上下がらず、
「恐慌」になることは避けられたのです。

村尾さんからは、
「ブラックマンデーと比べると今回の金融危機は
実体経済(私たちの身近な経済)への影響や
世界的な広がりといった面で比較にならないほど深刻です」
「また、1929年の世界大恐慌と今回の金融危機への
対応で大きく異なるのは政府の役割です。
1929年当時は政府は民間経済に介入しない方がいい
という考え方が支配的でした。
ところが、その考えが大恐慌の失敗につながります。
この失敗を踏まえてイギリスの経済学者ケインズは
政府が民間経済に積極的に介入すべきとの考え方を示し
これ以降、政府の役割が重要になりました」
「今回もその流れで公的資金の投入や
G20の協調など迅速な対応が見られます。
今後この経済危機を救えるかどうか、
国際的な経済対策の規模とそのタイミングがポイントになると思います」

という話がありました。
明日14日に開く日本市場の反応にも注目です。
以上イチメンでした。