日本テレビ「NEWS ZERO」

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9月30日 イチメン "補正予算"で時代を読む

麻生総理大臣の所信表明が行われたこの日、
イチメンも気になる政治のキーワードに注目しました。

所信表明でも触れられた「補正予算」
ニュースで毎日のように聞く言葉ですが
そもそも、補正予算って何なのでしょうか?

疑問に思って調べてみました。

まずは大原則として、
国がお金を使う時には政府が「予算案」を作り国会に提出、
議決を受けることで初めて「予算」になります。

この手続きが無いと国のお金は1円たりとも動きません。

続いて、日本の予算のスケジュールをご覧下さい。
まず、毎年1月から開かれる「通常国会」で
4月から翌年3月まで、つまり「1年度」の予算が成立します。
これを「本予算」といいます。

でも、この本予算。実は1月の国会に間に合わせるため、
「予算案」を前の年に作っておく必要があるのです。
ところが、新しい年に入って突然地震が起こったり、
大水害が起こったりしたらどうでしょう?
本予算では対応できません。
そこで必要になるのが「補正予算」というわけです。

文字通りですが、本予算を「補って正す」のが補正予算

要するに「予期しがたい事態に対応する」ための予算なのです。

それでは、「ある年」に実際に組まれた補正予算を見てみましょう。
まずは「歳入」つまり入ってくるお金の見込みですが...
「所得税」-1860億円をはじめとして
「法人税」や「消費税」など「税収」が
大幅マイナスの予測になっています。

一方「歳出」=お金の使い道は、
「災害救助」に約1300億円。
「住宅建設」「有料道路復旧」にも大きな額がかけられています。

実はこれ1995年1月に起きた
「阪神・淡路大震災」に対応するために
緊急で組まれた補正予算。
地震の被害で経済の落ち込みが予測されるため、
「税収」は軒並みマイナス。
一方「仮設住宅の建設」や「高速道路の復旧」など
「災害対策」にお金が必要になっていることがよくわかります。

このように!「国の突然のピンチ」に対応するのが補正予算
中身を見れば「時代が見える」とも言えそうです。

 

また「災害」の他にも、
例えば「経済の急激な変化」も予測がしづらいという理由から、
「経済対策」を中心に補正予算が組まれることも非常に多いのです。
では、今回はどうでしょうか?

29日に国会に提出された2008年度の「補正予算案」。
お金の使い道には、
「生活者の不安解消」「農林水産業対策」「中小企業対策」が並びます。
サブプライムローン問題などで
経済が急速に冷え込むことが予測されるため、
今回は「経済対策」が中心
総額約1兆8000億円の補正予算になっています。

では、この1兆8000億円をどこからもってくるのか?
財源はどうなっているのでしょうか?

約1兆円は「経費の節減」
つまり本予算で使わなくて済んだお金から捻出するとしています。
あとは、約4000億円の国債つまり「借金」などで補います。
この国債は「建設国債」と言って赤字国債とは異なりますが
それでも借金は借金です。

調べてみて補正予算の大切さがよくわかりましたが、
今回の補正予算案に対して国会がどんな結論を出すのか
今後も注目したいと思います。
以上イチメンでした。