日本テレビ「NEWS ZERO」

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3月31日イチメン 値上げの春"悪い"物価上昇?

ガソリンは4月1日から値下げのスタンドもありそうですが、
今回のイチメン!は消費者も気になる「値上げ」の話題でした。

スタジオには4月1日に「値上げ」となる商品を集めました。

まず「輸入小麦」は政府から製粉業者への受渡価格が30%もアップ。
パンやうどんなど小麦製品への影響は避けられそうにありません。

 

また、しょうゆは各社ほぼ18年ぶりの値上げ。

 

そして「価格の優等生」と言われる牛乳も

ついに30年ぶりの「歴史的」な値上げとなります。

今回の値上げは私たちの食卓に直結するものばかりです...。

 

さらに、電気料金も66円から156円の引き上げ。
航空運賃も国内線、国際線ともにアップで
まさに「値上げの春」といった様相です。

 

ある試算ではこのような値上げが続くと、今年1年間だけで
1世帯あたり「13756円」も負担が増えるんだそうです!
太田経済財政大臣は先週、今の急激な値上がりを
「決して良い物価上昇ではない」と評しました。
でも、モノの値段が上がるのに「良い」とか「悪い」って、
一体どんなことなんでしょうか?

 

第一生命経済研究所の主任エコノミスト
永濱利廣さんに聞くと次のような仕組みを教えてくれました。


通常、世の中の景気がいい時は「物価は上昇」していきます。

 

景気が良い時はモノが足りなくなるので
自然と値段が高くなるんです。
この場合、例えば牛乳の値段が上がっても、
メーカーで働く【従業員】や乳牛を育てている【生産者】にもお金が回るので、
この人たちの財布のヒモが緩んで消費が伸びる。
さらに【景気が良くなる】という流れが生まれます。

多少値上がりしても好景気が続くなら
まだ「良い物価上昇」だと思えますね。

 

ところが、いま日本で起きている「悪い物価上昇」は
牛のエサとなる「穀物」や運搬の燃料となる「原油」、
つまり【原材料】の価格が世界中で
爆発的な値上がりをしているのが主な原因です。

これだと、牛乳をいくら値上げしても、
その分のお金はメーカーの【従業員】や【生産者】には回らず、
ほとんどが飼料や運搬の燃料代に消えてしまいます。
一方、値上がりしたことで【消費の意欲が落ち】
さらに【景気が悪くなる】可能性もあります。
今の日本はこの悪い流れに入りつつあるのではないかと
心配されているんです。

さて、今後しばらくはこの「悪い価格上昇」が続くのは避けられない、
と専門家の多くが見ています。

 

しかし、先週電通が発表したアンケート調査では、
80.6%もの人たちが『安全』について信用できれば
「値上げを納得する」と回答したんです。

今の消費者は多少値上がりしても「安全なものを買う」
というアピールかもしれません。

村尾さんからは『スタグフレーション』についてコメントをいただきました。
「物価が上がるのは、ふつう景気が良くなった時なんですが
櫻井さんの話であったように
"景気が落ち込んでいるのに物価が上昇している"
この状態を『スタグフレーション』というんです。

景気が落ち込むことを"スタグネーション"
物価が上昇することは"インフレーション"といい、
それを合わせた造語です」  

これから、日本の経済を見る時、
「スタグフレーション」がキーワードになるかもしれません。
以上、イチメン!でした