日本テレビ「NEWS ZERO」

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12月24日イチメン なぜ高騰?小麦価格のナゾ

 

今回のイチメンはクリスマスイブにちなんで
クリスマスケーキを作ってみました。

ところで、このケーキのスポンジに
使われている「小麦」に気になる話があります。

うどん、パン、パスタ...
これら身近な食べ物に使われている小麦の値段が、
2008年にまた上がりそうなんです。
そこで、今回は「小麦価格の謎」に迫ってみます。

実は、日本の「輸入小麦」の多くは
輸出国から一度政府が買い取ってから
私たちの元に届いていて
この仕組みを「国家貿易」といいます。

なんでこんな事をしているのかというと
①重要な主食になる小麦を「安定して供給」するため。
②そして「国内の小麦農家を支援」するためです。

例えば、去年のデータを見ると
政府は1トンおよそ3万円で輸入した小麦を
だいたい4万3千円で製粉業者に売って、
その差益1万3千円を国内農家の支援に回していました。
ところが。最新のデータを見ると、
政府が買い取る価格がおよそ6万円と
なんとわずか1年で2倍に高騰してしまいました。

このままだと国家貿易が赤字になるので
来年にはおよそ7万円まで上げなければ...
という事態なんです。

ではなぜ、こんなにも急激に
海外の小麦が値上がりしたのか。
その原因の1つなんですが...

今年5月に僕が取材したオーストラリア。
ピーターさんの小麦畑です。
去年は記録的な干ばつだったため
今年種をまくのは一種の「賭け」だと話していたピーターさん。

そして、今現在この小麦畑がどうなっているかというと...。
ピーターさんと連絡を取ってみたのですが、
残念ですが、今年も雨が少なく収穫はほぼゼロだったそうです。

これで、オーストラリアは前例のない2年連続の干ばつ。
輸出量世界3位のオーストラリアの不作は、
小麦の「供給」が足りなくなるという心配を
世界中に巻き起こしています。

一方で「需要」は増えているんです。

大きいのはインド、中国など【新興国の経済発展】です。
これらの国で、爆発的に小麦の需要が増えています。

世界の異常気象や新興国の経済発展という
一見、遠い話に思える出来事が、調べてみると
こんなに身近な食卓に直結しているんだと
改めて実感しました。

以上、2007年最後のイチメンでした。