日本テレビ「NEWS ZERO」

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11月19日イチメン 急増「ネットいじめ」対策は?

ちょうど去年の今ごろ
ZEROでは「いじめ」について考える
キャンペーンを行いましたが、
今回はこのニュースを取り上げたいと思います。

文部科学省がいわゆる
「ネットいじめ」の数を調べ始めたところ、
2006年度だけでも全国で
「4883件」が確認された、と先日発表がありました。


しかし、これはいじめ全体の数と比べて
わずか「3.9%」に過ぎず、
実際にはこの何倍もの
ネットいじめが隠れていると見られます。


まだ知らない人も多い「ネットいじめ」とは、
パソコンや携帯電話などの
通信ネットワークを悪用したいじめの形のことです。


具体的には、
①ネット上の「掲示板」に
 「うざい・きもい」といった中傷を書き込む。
②携帯電話などの「メール機能」を使って、
 不愉快なメールを大量に送りつける。
③「なりすまし」といって、ネット上で相手のフリをして
 電話番号やメールアドレスなどの「個人情報」を勝手に公開してしまう。
 といったものまであって驚くほど手口が巧妙です。
こんな被害者の証言もあります。


いじめ被害者は、

 「たまに登校すると、普通に友達も
 『久しぶりだね』と話しかけてくれる。
 でも家に帰って、裏掲示板にアクセスしてみると
 『きょう久しぶりにあいつ来てたやっぱりうざい』
 とか書いてある」

このように、ネットいじめには、
 ①誰が自分をいじめているのか相手がわからない
 ②他の友達や大人から見えづらい
 ③家の中にいても、24時間いじめから解放されない
など、やっかいな特徴があります。


そして、このネットいじめが問題になっているのは
何も日本だけではありません。

例えば、イギリスでは12歳から15歳までの34%、
およそ3人に1人が
「ネットいじめに遭った経験がある」
と答えた調査もあります。


イギリス政府はこの数字にショックを受けて、
今年9月から300万ポンド(約7億円)の予算を組んで
「ネットいじめ防止キャンペーン」を始めました。


英語ではいじめを「BullyiNG」と言いますが、
ネットいじめには「CyberbullyiNG」という語が当てられています。
キャンペーンでは、
ネットいじめ防止ガイドラインも作られたんです。

内容を見てみると、
例えばネットいじめの「予防策」として、
学校の先生の中から
「ネットいじめ対策の責任者を決めるように」
と書かれています。
学校はネットいじめを見逃さない
という強い姿勢が示されているんですね。

また、「対策」というページには
ネットいじめに遭っている子に対するアドバイスとして
「絶対に報復したり反応したりしないように」
そして、
「いじめのメールや書き込みを保存するように」
と呼びかけています。

実は、メールや書き込みを「保存」すれば
ネット上の形跡をたどって
いじめている人物を「特定」できる可能性が高いのです。


また、犯罪につながるものならば
「警察」の力を借りてでも相手を特定すべき
というとても踏み込んだことまで書いてあります。
つまりこれは、たとえネットであろうとも
「いじめをすれば必ず見つかって厳しく罰せられるのだ」
というメッセージなのです。

村尾さんからは、日本の現状について、
村尾:
「悪質なネット上でのイジメについて、日本でも警察が積極的に動いた事例があります」
「今年2月には、奈良県天理市で同級生の携帯に700回にわたって嫌がらせのメールを送ったとして、
中3の男子生徒2人を県の迷惑防止条例違反容疑で逮捕」
「今年9月から10月にかけては、神戸の私立高校で自殺した同級生の携帯に金品を要求する
メールを送りつけていたとして、
高3の男子生徒4人を恐喝や恐喝未遂容疑で逮捕しています」
「日本でも、悪質なネットいじめをした者は逮捕されると言う事を、肝に銘じて欲しい」


というコメントがありました。


イギリスは国を挙げて
ネットいじめと闘う姿勢を見せています。
日本の政府も数を把握することだけに終わらず、
ネットいじめと闘うんだという
政策を出して欲しいと思います。
以上、イチメンでした。