日本テレビ「NEWS ZERO」

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11月12日イチメン 川田龍平議員の初質問に密着



川田龍平参議院議員、現在31歳。
同じ世代の人が国会議員になったということで
僕もすごく気になっていました。
議員1年生の川田さんはいま参議院の
「環境委員会」に所属しているのですが、
今回、そこで初めてとなる「国会質問」に
密着することができました。


議員の仕事といえば
「本会議」のイメージが強いかもしれませんが、
日本の国会は戦後「委員会中心主義」
という形を取っています。

だから、例えば「法案」が国会に提出されると
本会議よりも「委員会」で、
細かくその内容について審査されることになっています。

現在、国会には衆・参合わせて34の「常任委員会」があって、
それぞれが、専門の分野について
法案の中身などを議論しています。
川田さんの「環境委員会」も常任委員会です。

また、その時々の必要に応じて
作られる「特別委員会」というのもあります。
この間、防衛省の守屋前事務次官が
「証人喚問」されたのは
衆議院の「テロ対策特別委員会」でした。

そして、これら委員会で行われる「質問」が
国会議員にとってとても大切な意味を持っています。
なぜなら、大臣や官僚に対して行う
この委員会での質問が的を射ていれば、
法案が修正されたり、国の方針が変わったりさえする
可能性があるからなんです。

今回、その大事な川田さんの
国会初質問をすぐ間近で取材することができました。

川田龍平議員 密着取材
東京・永田町。国会議事堂の向かいにある議員会館。
新人議員、川田龍平さんの部屋を訪ねました。
現在31歳は参議院議員の中で最年少。

7月の選挙に無所属で出馬し、68万票を集めて、初当選しました。 
この日は、川田さんの国会デビュー。
議員として初めて委員会で質問に立ちます。

質問の原稿は、委員会が始まる午後1時まで何度も書き直します。 
川田さんのような野党議員にとって委員会は、
政府に今の政策を問いただす、唯一の機会です。
この日、川田さんに割り当てられた時間は20分。

川田「もとものの時間は9分なんですよ」
櫻井「えっ!9分ですか?短すぎますね」
川田「わけてもらって20分なんです」

質問時間は議席数の多い政党ほど多く割り振られます。
無所属の川田さんは民主党から10分、自民党から1分、
時間をわけてもらいようやく20分の質問時間を確保しました。

食事のあとは今も、エイズの発症を抑える薬がかかりません。
病気と闘いながらの、議員生活です。
 
19歳の時、薬害エイズ訴訟の原告として、実名を公表。
厚生省の責任問題を追及し続け、和解を勝ち取りました。
 
しかし、あれから12年。C型肝炎などの薬害被害は解決していません。
川田さんは、今も戦い続けています。

 
自分が所属する委員会を決める時、
川田さんは迷うことなく薬害問題を扱う厚生労働委員会を希望。
しかし無所属の為、人気が高い厚生労働委員会には入れませんでした。

結局、第2希望の環境委員会に配属された川田さん。
それから3か月。
「命と環境」をテーマに、どんな問題に取り組むべきか、
川田さんは全国各地の現場を視察して回り
国会での質問に向けて勉強を重ねてきました。

  
川田さんが、初めての質問に選んだテーマは、
「水俣病・化学物質・地球温暖化」の3つ。
視察などを通して絞り込んだ思い入れのある項目ばかりです。

委員会開始まであと15分。国会に向かいます。
国会議員として何ができるのか。何をすべきなのか。
試される場がいよいよやってきました。

環境問題の議論を行う環境委員会。
そこには、トップ、鴨下大臣も出席しています。
委員には環境大臣経験者をはじめとする
経験豊富なベテラン議員たちが顔をそろえます。
川田さんの質問は3時間の委員会の1番最後。
まず自分の思いを医師でもある鴨下大臣に伝えることを決めていました。

川田「薬害エイズの事件を覚えていますでしょうか?
   私自身、国が安全と認めた薬を医者からもらって
   HIVに感染させられた薬害エイズの被害者です。
   二度と同じような被害を繰り返さないためにこの国を変えたい。
   まず、医師としての環境大臣の決意をお聞かせいただきたい」

鴨下大臣「川田龍平さんが高校生ぐらいから戦っていた姿は
      私はすぐそばで見て参りました。生命と地球の環境を
      次の世代に守っていくために仕事をしていきたい」

しかし、20分の質問時間はあまりに短く、
水俣病・化学物質の質問が終わったところで
残り時間は1分。まだ地球温暖化の質問ができていません。

川田「今年の夏の気温の上昇に伴い電力量が増える一方です。
   夏場の気温上昇で170万キロワットの電力消費量が
   増えるとも言われております...」
委員長「時間を過ぎておりますので...」
川田「...また、機会を改めて質問したいと思います」

結局、時間切れ。予定していた質問は全部できませんでした。
20分間の初めての国会質問は、ほろ苦いものとなりました。


初質問を終えたこの日の夜、
政治の世界に飛び込んだ川田さんのホンネを知りたくて、
川田さん行きつけの店で話を聞くことにしました。
 
櫻井「今日はどうでした?疲れましたか?」
川田「ほどよい疲れですね、質問をもっとしたかった。
   準備をしっかりして質問項目を絞って、
   答弁に対して返せるようになるのが課題です」

櫻井「あの距離で大臣と話せるというのは?」
川田「そこにいることがうれしかった。
   自分がこうしたいと思ってたことをできる立場にいる」

櫻井「どんな法律を作りたいですか?」
川田「患者の権利を守る法律。一番やりたかったことは
   薬害の問題です。任期6年をかけてやりたい。

川田「環境は先につながっていくことです。
   次の世代とか、二度と起こらない仕組みを作りたい」
櫻井「過去にあるものと未来にあるもの、
   その2つがあって川田さんのやりたいことになっている...」

川田「本当にまだまだやれることが今後の政界にある。
   これからが楽しみでワクワクしますね」

日本を変えたい、という強い思い。
川田さんの挑戦は、始まったばかりです。