日本テレビ「NEWS ZERO」

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11月5日イチメン NOVAの今後と"会社更生法"



経営破たんした英会話学校NOVAの問題が
連日大きく取り上げられています。
前社長は経営破たんしてからまだ姿を見せていません。


猿橋前社長が「モデルルーム」と主張する
この社長室。中には隠し扉があって、
開けると奥には...


ふかふかの布団が敷いてある「ベッドルーム」。


そして、大阪の夜景がきれいに見える
「ジャグジー風呂」まで備えられていて
家賃270万円、改装費6000万円という
費用がかかったと言われています。


一方で、NOVAが抱えていた負債総額は439億円。


企業が借りているお金やモノを「負債」といいますが、
この負債を返す見込みがなくなった状態を
「経営破たん」と言っています。


NOVAの受講生は全国に30万人以上。
この中には「先払い」で授業料を納めてしまった人がたくさんいます。
これらの授業料はどうなってしまうのでしょうか?


経営破たんしてしまった企業が取る道は
大きく分けて2つあります。
1つは残ったお金や資産を分けて
会社を消滅させる「清算型」で、
もう1つは、なんとか会社を
残そうとする「再建型」です。
NOVAは後者の再建型を目指しています。


今回NOVAが使うのは
再建型の中の「会社更生手続き」です。

会社更生手続きとは、
「株式会社」しか使えない再建方法で、
部分的に借金を帳消しにしてもらったり
スポンサー企業を探すなど
経営を立て直す方法を考えたりして再建を目指します。

また、様々な人の利害が絡むので
事前にこの「更生計画」を「裁判所」に認めてもらって
初めて手続きを開始できます。

しかし、NOVAの負債総額は439億円と非常に大きいため
自力で復活することは難しく
再建の「カギ」は支援してくれる
「スポンサー」企業が見つかるかどうかです。


ところが、たとえスポンサーが見つかったとしても
支払いが優先されるのはまず「会社更生に必要な費用」。
その次が「税金」や従業員の「未払い給料」などで
「授業料やチケットの払い戻し」は優先順位が低いということが
法律で決まっているんです。

NOVAに払ってしまった授業料の分を新しいスポンサーが
無料レッスンに振り替えるという可能性も考えられますが、
それもこれも見つかった「スポンサーの意向次第」
というわけです。

でも、希望のもてる話として、
過去にはこのスポンサー探しがうまくいって
見事に再建を果たした企業があります。


その代表格が牛丼の「吉野家」です。
1980年に120億円の負債を抱えて
会社更生手続きを申請した吉野家は、
「西武流通グループ(当時)」というスポンサーの支援を受けて
再スタートからわずか5年で100億円の債務=借金を
すべて返済したんです。


このイチメン!の放送の翌日(6日)に、
NOVAのスポンサー企業が「ジー・エデュケーション」(名古屋市)という企業に内定したというニュースが入ってきました。

ただし、NOVAは英会話学校などの事業だけを
ジー・エデュケーションに譲渡(売却)して、
NOVAの会社自体は経営の再建をあきらめ
清算するという形になりました。
そのため、すでに前払いした受講料の返還はなく、
NOVAの受講生は従来の4分の1の受講料で
新スクールでの授業を受けられるという
「救済策」が発表されました。

受講生の理解は得られるでしょうか?
以上、イチメンでした。