日本テレビ「NEWS ZERO」

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10月22日イチメン 在日ミャンマー人の真実

東京・高田馬場。祖国ミャンマーを変えたいと
日本で活動を続ける若者を訪ねました。

 


トゥ・ヤ・アウンさん。
僕より2つ年下の、23歳です。

アウンさんは4年前に学生として来日。
VISAが切れた後も日本に滞在していた為、
逮捕されました。
そして、国を捨てる覚悟で難民の申請をしたそうです。
彼は2か月前に収容所から出たばかり。
日本で民主化を求める運動を再開しました。

アウン「僕はいま日本に難民申請していて、帰ると捕まります」
櫻井「捕まるとどうなってしまう?」
アウン「刑務所ですね」
櫻井「何年?」
アウン「12年~15年くらい」
櫻井「15年?!」

 


ミャンマーでは、1988年に今の軍事政権が誕生しました。
人々の行動は政府の監視によって制限されるようになり、
軍事政権に逆らう者には国に帰ると、処罰が待っているのです。

櫻井「ミャンマーでは何が一番大変でした?」
アウン「夜遊びに行くと警察や軍事が巡回している。夜中でも。
『どこから帰ってきたのか』『どこへ行くのか』と聞かれ、体も確認される」

櫻井「やっぱ軍の人は怖い?」
アウン「怖いです」



アウンさんは高校2年年生の時、軍事政権反対のビラ配りに参加。
その時、信頼していた知人に密告され逮捕されたそうです。



アウン「軍の人(スパイ)が多いからすぐ友達になることは難しい」
櫻井「変な話...恋人とか...好きになった人が軍関係者の可能性は?」
アウン「そういう人なのかと思ってしまう」
櫻井「人のこと信じられないの?」
アウン「あまり信じられない...」

好きになった人さえ疑わなければならないミャンマーの現実。

ミャンマーで、軍政府に追われる生活を送ってきたアウンさん。
DJになりたいという夢を持つ彼は
日本ではどのような生活を送っているのでしょうか。

 


まずは買い物。日本は物価が高いので、
暮らしにくいと思っていたのですが、
意外な言葉が返ってきました。

アウン「日本のものは安いですね。
もやしは日本だと29円ミャンマーだと55円くらい」

櫻井「ミャンマーでは値段は決まっている?」
アウン「きょうはこの値段でも、明日は高い」

ミャンマーでは、物価の上昇が続いています。
米の値段は20年前と比べて100倍にもなったそうです。

そして、祖国を離れた彼がよく訪れる場所があると聞き、
案内してもらいました。
そこは、ごく普通のマンションの一室だったのですが...。

 


中には、ミャンマーのお坊さんがいて、
後ろには立派な祭壇が...。
一見、日本の若者と変わらないと
感じていたアウンさんですが、
祖国にいた時と同じように
毎日お祈りを欠かさないそうです。


ここには1週間にのべ40人以上のミャンマー人が
お祈りにやってくるといいます。
軍事政権から迫害を受けて日本に逃れてきていても
祖国への思いを忘れることはないそうです。
そして今、彼らの軍事政権への怒りは頂点に達しているのです。


ミャンマー大使館前での抗議デモ。
僕は初めて目の当たりにしました。
彼らは、今だけではなく日本に来た時からずっとこの場所で
抗議活動を続けているそうです。

アウン「みんな祖国へ帰れない人たちです...」
櫻井「少しずつ国が変わることをみんな望んでいるんですよね」


櫻井「ミャンマーを変えたいと初めて思ったのはいくつの時?」
アウン「13、4歳の時から」
櫻井「そんなに早いの?」
アウン「自分のやりたいことをやりたいとか、自由になりたいとか」
櫻井「僕がそれくらいの時に考えたことないですね」
アウン「自由がないから考えるんですよ。国に自由がないから」


櫻井「もし、ミャンマーに帰れるとしたら?」
アウン「デモクラシー(民主主義)の国になったらその時は帰れる」


ミャンマーの若者たちが背負っている現実。
国の体制が変わるまで、彼らは戦い続けるといいます。