日本テレビ「NEWS ZERO」

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10月1日イチメン どう使う?"緊急地震速報"

緊急地震速報は
地震直後の小さな揺れをとらえてその後やってくる強い揺れを予測
すぐに情報を伝えるものです。
一般向けの提供が、10月1日午前9時から始まり、
今後、震度5弱以上が予測された場合に速報が発表されます。

さて、この緊急地震速報
特徴をよく知って上手に使うことが重要です。

 

10月1日午前2時過ぎ、
箱根町で震度5強。小田原市で震度5弱を観測する地震があり、
2人が病院に搬送されました。

一般向けの「緊急地震速報」は午前9時に始まったので、
まだ速報は出なかったんですが、もしこれが始まっていたとしても
揺れの強い地域では「間に合わなかった」というんです。

一体どういうことなんでしょうか?

 

地震が起こると、スピードの速い「P波」という揺れと
遅れてあとから来る「S波」というメインの揺れが来ます。
大きな被害をもたらすのはあとからのS波なんです。

「緊急地震速報」は、先にくるP波をとらえて瞬時に計算。
S波が到達する前にお知らせして警戒を呼びかけます。

ところが、震源のごく近くでは、P波とS波がほぼ同時に来るので
速報が間に合わないこともあります。

 

この日の地震では、揺れが強かった箱根町も小田原市も
地震の中心から10キロ以内とごく近かったため、速報が出ていても間に合いませんでした。
つまり、緊急地震速報の弱点はすぐ真下で起こる
いわゆる「直下型地震」なのです。

間に合わなかったのにはもう1つ理由があります。

10月1日の地震は箱根町で震度「5強」の揺れを感じました。
一般向けの緊急地震速報は最大震度で「5弱以上」が推定されると出るのですが、
今日は気象庁のシステムが最初に震度「4以上」と低めに推定し
およそ30秒後に「5弱程度」となりました。

このように、震度の推定に多少の「誤差」があり、
正確な推定に時間がかかる。
これもこれからの課題といえます。

だからといって、この緊急地震速報が
役に立たないなんてことはありません!

 

記憶に新しい今年7月の「新潟中越沖地震」の時には、
すでにこの緊急地震速報の試験運用が始まっていました。

記録されたデータを見てみると、
震度6強の揺れを記録した長野県飯綱町では
地震の中心から94キロ離れていたため
実際に強い揺れが来る「20秒」前に
気象庁から「これから地震が来ます」という情報が出ていました。

このように、ある程度震源から離れている時、
緊急地震速報は力を発揮するんです。

 

テレビではこれから上のような画面で
緊急地震速報をお伝えします。

この画面では、震度4以上の大きな揺れが
来ると推定される地域を赤い地図で示します。

日本テレビの画面では放送エリアである関東地方。
また、各地の放送局もその地域ごとに速報を出します。

これがでたら、あと数秒で地震が来る可能性が高い、
ということですから、そこから何ができるかが重要になります。

そこで、緊急地震速報を見たり聞いたりした時の
大原則があります。それは...

「あわてずに、身の安全を確保」です。

速報が出てから地震が20秒で来るか3秒で来るかは
地震が起こってみるまでわかりません。

家や建物の中にいたらまず「アタマを守る!」
それから「あわてて外に飛び出さない」のも大切です。

できることは決して多くないので
とにかく「落ち着いて身を守る」というのが、
この緊急地震速報を見聞きした時に一番大切なことです。

以上、イチメン!でした。