現在開催中の国連総会でも
目玉となっている環境問題。
二酸化炭素など温室効果ガスをどうやって
減らすかも議題に上っています。
これは、来年用の年賀はがきの1つで
「カーボンオフセット年賀」というものです。
カーボンオフセットって
聞き慣れない言葉ですが、
カーボンは炭素、この場合「二酸化炭素」で
オフセットは「打ち消す」という意味です。
私たちはどんなに努力しても
二酸化炭素を全く出さない生活はできないので、
その分を別の仕組みを使って
打ち消そうという試みです。
試算では、この年賀状を日本人全員が1枚ずつ買うだけで
約19万トンの温室効果ガスを減らせる可能性があるそうです。
これは日本全体で家庭の照明を全部消して、
真っ暗な中丸4日間過ごすくらいの
温室効果ガスを減らしたことになるというんですが...
いったいどんな仕組みなんでしょうか?
「京都議定書」では、
日本は1990年の排出量に比べて
来年から5年間で温室効果ガスの
平均「-6%」達成が義務づけられています。
しかし、現状日本の排出量は
むしろ約8%も増えているので
これから約14%も減らさなくてはいけません。
まずは、国内で削減の努力をするのは
当然なんですが、日本は1990年までに
すでに様々な「省エネ」を進めていたため
「乾いたぞうきん」なんて言われ
これ以上国内で排出を減らすのは難しいんです。
そこで、こんな方法も許されています。
「クリーン開発メカニズム」と呼ばれる方法で、
日本の技術を生かして
新興国の温室効果ガス削減をお手伝い。
その国の温室効果ガスを減らすことに成功すれば、
減らした量に応じて日本の削減量に加えていい
というルールになっているんです。
例えば、
ブラジルの工場から出る排ガスの量を減らしたり、
中国に温室効果ガスの出ない水力発電所を作ったり。
スリランカではなんとココナツの殻で発電しよう
という試みも行われています!
そして、さきほどの「カーボンオフセット年賀」は
1枚55円のうち5円分が
このクリーン開発メカニズムの支援に当てられます。
だから、買った人は国外の
温室効果ガスを減らす事業を支援して、
日本「-6%」にも貢献したことになる
というわけです。
ではもし、それでも
「-6%」に届かなかったらどうするか?
といいますと、今度はお金で売買するんです。
温室効果ガスを排出できる枠
「排出権」を他の国とお金で取引します。
わかりやすいように排出権を
「ゴミ袋」に例えましょう。
A国もB国も排出権は
「3袋まで(2国で6袋)」と決まっています。
B国は一生懸命温室効果ガスを
減らして2袋分で済みました。
ところが、A国はうまく減らすことができず
4袋分のCO2が出てしまいました。
この時、B国はA国にゴミ袋
つまり「排出権」を1袋分売ることができます!
しかも、トータルで排出している量は
「6袋」の枠の中に収まっていますね。
ヨーロッパなどでは国家だけでなく企業も積極的に
この排出権取引に参加していて、
市場規模は世界でなんと
3兆円を超えているそうです。
これからの新しいエコの流れかもしれません。
以上、イチメンでした。