日本テレビ「NEWS ZERO」

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9月3日イチメン 百貨店大再編のウラ側

今回の放送日9月3日に
百貨店の大丸と松坂屋が経営統合しました。
これで日本最大の百貨店グループが
誕生したわけですが、
来年4月には伊勢丹と三越が統合を発表しており、
すぐにトップが入れ替わる見込みです。

このニュースをイチメン風に読み解きました。

 

浮世絵にもなっている松坂屋は
起源をたどると江戸時代の初期までさかのぼり、
創業から396年!
大丸も290年の歴史があり
老舗中の老舗同士が手を組みました。

また、来年4月に統合する三越は創業から334年、
伊勢丹も121年とこちらも老舗同士ですね。

このように、何世紀にも渡って
「のれん」を守ってきた会社ばかりですが、
でも、この「のれん」を
完全に捨ててしまうわけではありません。

 

統合した大丸・松坂屋に聞いてみたところ、
それぞれ今ある「お店の名前」は
大丸・松坂屋のまま変える予定はないそうです。

 

会社が一緒になるのにも色々な方法がありますが、
もし「吸収合併」という形をとった場合
どちらかの会社の名前が消えてしまいます。

 

しかし、今回両社は一緒になるために
新しい会社「J・フロントリテイリング」を発足させました。
そして、この新しい会社が両社の株を全部持って
大丸・松坂屋は同じグループの子会社になりました。

これがよく聞く「持ち株会社」です。
経営の「戦略」は親会社が練って、
実際の「事業」を子会社がやる仕組みです。

これによって、のれんを大切にする百貨店でも、
名前を残したままの経営統合ができるのです。

 

この持ち株会社というシステム。
戦後「独占禁止法」で禁じられてきたんですが、
1997年に解禁されました。

その後増えた、○○ホールディングスというのは
まさに、この「持ち株会社」のことなんです。


でも、ここまでして老舗の百貨店が一緒になるのには、
業界全体の事情もあります。

 

日本の百貨店の総売り上げは91年に
9兆7千億円のピークを付けた後、
なんとおよそ2兆円も減ったんです。

 

全盛期。百貨店といえば「接客」がウリ。
目と目を合わせて、丁寧に商品説明をすることに
お客さんは満足しました。

ところが、ここ数年売り上げを伸ばしているのは
「カタログ通販」「ネットショッピング」に
「テレビショッピング」といった接客のない商売。
お客さんは商品説明を見られますが
売り手からはお客さんの顔が見えないので、

 

「マジックミラー購買」と言われています。
お客さんにとって気軽なところが
ウケているんですね。

このような時代で苦境に立たされた百貨店は、
老舗の垣根を超えて一緒になることで
強みを生かし、少しでも無駄を省いて
生き残ろうとしています。
だから今、このタイミングでのデパート大再編というわけです。

以上イチメン!でした。