日本テレビ「NEWS ZERO」

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8月13日イチメン ガソリン「最高値」のナゼ?


お盆に入りましたが、とてもガソリンの高い日本。

レギュラーガソリンは8月6日時点で
全国平均価格が1リットル145.1円に達したことがわかりました。
これは、1987年に調査が始まってから「史上最高」の価格になります。

車で里帰りした方は実感あるんじゃないでしょうか?
なぜこんなに高いのかを調べてみました。

8月初め、ニューヨークでも原油先物の価格が
一時1バレル78・77ドルとこちらも史上最高値を付けていました。

原油の価格を表す時によく聞かれるこの「バレル」という単位。
一体、何のことだかご存じでしょうか?

実は、バレルは「樽」を意味しています。

パイプラインやタンカーがなかったころ
原油は樽に詰めて運ばれていたので
その名残で今でも「バレル」が原油の単位なんです。
1バレルはおよそ159リットル。

いま、日本の港に到着する原油はおよそ1バレル67ドル。
日本の感覚に直せば1リットル52円くらいになります。
言ってみればこれが「原価」です。

ではこの52円がどうやって145円になるのか?

「精製・輸送」などのコストや「石油会社の利益」が加わって
およそ「82円」になります。
しかし、これでは全然「145円」に届きません。

なんと!残りの「63円」はすべて「税金」なんです。

とはいえ、税金は一定の額が決まっていて
大きく変動することはないので
ガソリン高騰に大きな影響を与えているのは、やはり原油の価格です。

現在、52円の原油価格ですが、
8年前は、たったの8円でした!
では、これほど大きく変動する原油の価格は誰が決めているのか?

誰か特定の人間や会社が決めるのではなく、
その価格は現在「市場=マーケット」で決まります。

マーケットでは、
「原油が足りなくなる」という【不安】があれば価格が【上がり】
「原油が十分ある」と【安心】であれば価格は【下がり】ます。

原油が採れる中東で「戦争」や「紛争」などが起これば
それは【不安】になりますし、
2005年にアメリカを襲ったハリケーン「カトリーナ」など、
「天災」が【不安】の材料になって原油が高騰することもあります。

逆に、産油国が原油をたくさん市場に出す「増産」や
石油に代わる「代替エネルギー」の開発などは
【安心】につながって価格を落ち着けます。

では、「景気」はどうでしょうか?

実は、好景気は原油にとって【不安】材料です。

景気が良くなると石油の消費が増えます。
だから「原油が足りなくなるかも」という不安につながるんです。
ここ数年の、アメリカの好景気や中国・インドなど新興国の経済成長は
原油の高騰に大きく影響しています。

いま、日本のガソリンがこんなに高いのは
こうした【不安】が関係しているんですね。

これに加えて、マーケットには「投機」といって
実際には原油を必要としない人達が、お金を増やす目的で原油を買うような動きもあります。

このような動きが「原油価格の上昇を加速」させている
という話もあって見逃せない要素の一つです。

でも、そんなお金のために僕らのガソリン代が上がっているとしたら、
ちょっと納得いかないですよね。

以上、イチメンでした!