日本テレビ「NEWS ZERO」

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7月30日イチメン 国会の何が変わる?

歴史的な1日となった参議院議員選挙。

民主党はこの選挙で合計109議席となり
参議院の第一党になりました。
では、この結果を受けて
国会で何が変わるのでしょうか?

まず、国会の進め方に変化が起こります。

これまで「法案」は【衆議院】で可決、
そして【参議院】に送って可決すれば成立でした。

ところが、選挙で野党が参議院の過半数を占めたため、
【衆議院】で「可決」しても
【参議院】で「否決」される場合が出てきます。

すると【両院協議会】が開かれることもあります。

あまり聞いたことのないこの【両院協議会】ですが、
衆議院と参議院で違う結論が出た時に
衆議院から10人、参議院から10人の
協議委員を出し合って「法案を調整する会議」です。
今の状況だと衆議院は与党、
参議院は野党の代表が出てくることになりますね。

この「両院協議会」。
これからたくさん開かれることになるかもしれません。

ただし、両院協議会でも意見が一致しない場合、
衆議院で3分の2以上の賛成があれば
【再可決】という手続きで
法案を成立させることができます。
いま、与党は衆議院で
3分の2以上の議席を持っているので
【再可決】することはできますが、
これだけの手続きを踏むわけですから、
これまでよりもずっと「時間」が必要になります。

ちなみに、戦後、参議院が否決して
衆議院で【再可決】の手続きを
取った法案はたった1つしかありません。
だから【再可決】は最後の手段で、
そんなに連発はできないと見られています。


また、もう1つ国会に大きな変化が起こります。
それは...

参議院の「議長」です。

今回、参議院で第1党になったため、
「民主党から議長」が誕生することは確実です。

衆参両院の議長は「立法府」のトップ。
総理大臣(行政)最高裁判所長官(司法)と並んで
「三権の長」という責任ある立場にあります。

その議長の仕事はというと、
「本会議の開会」を宣言したり、
「発言の許可」ができます。
議長がいないと議会は動きません。

また、「議員の席決め」も議長の権限でできるそうです。

さて、この参議院議長を
民主党出身の人が務める「意味」ですが...。

それは、参議院で民主党が
「主導権」を握るということです。

今年前半の国会では
与党による「強行採決」が度々話題になりましたが、
今後、参議院ではほぼ不可能になります。

議長の大きいので、
むしろ、重要な法案にはじっくり時間をかけて
審議するケースが増えるかもしれません。

もし、参議院が審議を引き延ばして採決をしなくても、
法案が送られてから60日たてば、
衆議院で再可決できるというルールもあります。

でも、1つの法案を通すのにもし2か月もかかったら
政治が動かなくなってしまいますよね。

このようなことを踏まえながら、これからの国会で
重要法案を巡って与野党がどのような攻防を見せるのか
注目してみたいとおもいます。
以上、イチメンでした。