日本テレビ「NEWS ZERO」

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7月9日イチメン What's参院選①参議院って何?

いよいよ、3週後に迫った参議院議員選挙。
イチメン!は今週から
「参議院選挙」の疑問を徹底的に解いていきます。

『イチメン!What's参院選?』

選挙に興味のある人もない人も
きっと選挙のニュースが面白くなると思います!

参議院が生まれたのは今から60年前の1947年。
「意外と新しい」という印象を持つかもしれません。
では、そもそも
「参議院って一体何のため?」にあるのでしょうか?
これが参院選最初のテーマです。

任期が4年で常に「解散・総選挙」の可能性がある
【衆議院】は、その時々の民意を
「タイムリーに素早くくむ」働きが求められます。

一方の【参議院】に求められているのは
予算や法案などを「長い目で見る慎重」な審議。
そのため任期は6年と長く
「解散」や「総選挙」がありません。

参議院は「良識の府」とも「再考の府」とも呼ばれていて
衆議院の議論をチェックする役割を果たしています。


日本のように国会に2つの議会が
あることを「二院制」と言います。

放送ではお伝えし切れませんでしたが...、
IPU(列国議会同盟)の資料によると
現在、世界で議会を持つ189か国のうち
二院制の国は「73か国」。(残りは全部一院制)
およそ40%と意外に少ないと思うかもしれませんが、
G8に参加する【アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ
イタリア・ロシア・カナダ・日本】の各国はすべて二院制。
いわゆる「主要国」はほとんどが二院制のようです。

その二院制の発祥地と言われるのがイギリス。
日本の参議院に当たる「貴族院」は
およそ700年の歴史を持っています。
当たり前ですが議員はすべて貴族で
代々貴族の家柄を引き継いできた「世襲貴族」や
女王から任命された「一代貴族」と呼ばれる人たちが
終身、つまり亡くなるまで務めます。

ですから、貴族院には【任期】や【選挙】がありません。
そればかりか【定数】も、なんと【給料】も無いんです!

お金や選挙にとらわれることなく
政党とも一歩離れて議論することができる貴族院。
「権限」はあまり強くありませんが
「権威」は大きく、法案に修正を加える働きがあります。

一方、アメリカでは「上院」が日本の参議院に当たり、
強い権限を持っています。

【定数】はアメリカ50州すべてから
2人ずつ選ばれているので「100」人。
アメリカ上院議員には「州の代表」という特徴があって
地方の声を国政に届ける重要な役割を果たしています。

上院と下院の権限は基本的に対等。
さらに「大統領指名人事の承認権」
(大臣などを決めるのに上院の認めが必要)
「条約を批准する権利」など
上院にしかない権利もあります。

このように、アメリカやイギリスでは
上院が下院と明らかに違う役割を持っているので、
その存在価値が認められているというわけです。

でも、日本の参議院にはそこまではっきりした違いがなく
「衆議院のカーボンコピー」と呼ばれることもあります。

例えば、人数が多い政党を順番に並べてみると
【自民・民主・公明・共産・社民】と
第一党から第五党まで衆参全く同じ。

また、戦後60年で
衆議院を通って参議院が否決した法案は
わずか「6つ」しかないんです!

だから、参議院が本当に必要か
という議論まで起こっているんですね。

村尾さんは
「この間まで衆議院だった議員が
すぐに参議院に立候補したりして
議員の側にも壁が無くなってしまっている」
「参議院が否決した『郵政法案』にしても
小泉前首相が衆議院を解散して圧勝すれば
同じ法案なのに参議院は通してしまった。
世界には一院制の国も多くあるんだし、
『参議院の必要性』については
今回の選挙の争点になってもいい」
とコメントしました。

衆議院と参議院で選挙の仕組みも似ていますが...
そのあたりは次回詳しくお伝えしたいと思っています。

以上、イチメン!What's参院選でした。