日本テレビ「NEWS ZERO」

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7月2日イチメン 消える?1円ケータイ

僕らの生活に欠かせなくなった携帯電話。
その使い方を変えるかもしれないニュースを追いました。

いま、街中の携帯電話ショップでは
新規「1円」もしくは「0円」という携帯も珍しくありません。
でも、数年後にはこの「1円携帯」が
姿を消すかもしれません。

というのも先週、総務省『モバイルビジネス研究会』が
発表した報告書の中で
「携帯電話の販売モデル見直し」が
提言されたからなんです。

現在の機種は「デジカメ」や「音楽プレーヤー」は当たり前。
最近では「テレビ(ワンセグ)」の機能まで付いていて、
考えたら、これで「1円」のものがある
というのが不思議です!

実は、それにはこんな理由がありました。

例えば、最新の携帯電話を僕らが「新規1円」で買うと、
ドコモ、au、ソフトバンクなどの
【携帯事業者】から【販売店】に対して
「販売奨励金」が支払われます。
販売店はこれで「もうけ」が出せますが、
このままだと携帯事業者が損をしますよね。

というわけで、この奨励金は
僕らの「毎月の使用料」から回収する
という仕組みなんです!

それで、このシステムのどこが問題かというと...

奨励金の額は平均すると1台4万円ほど。
これを、事業者はおよそ2年かけて
回収するといわれています。

しかし、中にはすぐに解約したり
頻繁に機種交換する人もいるので
例えば、1年で解約した場合
半分の2万円しか回収できないんです。

一方、長く使う人は
2年を過ぎても毎月の使用料から
奨励金を払い続けることになります。
単純に考えれば3年で6万円、4年で倍の8万円。

つまり、奨励金だけに注目した場合
「長く使うほど損」というわけです!


では、なぜこんな販売モデルが生まれたんでしょうか?

20年ほど前、なんと携帯電話はこんな姿をしていました。
(正確には、肩にかけるタイプの電話は
「ショルダーホン」という名前で、携帯電話ではなく
持ち出せるようになった「自動車電話」という扱いでした)

このころ、携帯電話といえば庶民にはあこがれの商品。
そして、すべて「レンタル」でした。

しかし、1994年に「携帯買い上げ制度」ができて
電話機が「レンタル」から「買い上げ」になった時、
あまりに値段が高い!ということで
考え出されたのが「販売奨励金」というわけです。

おかげで、携帯は僕らにも買いやすい値段になって
このころを境に一気に普及しました。
奨励金には「日本に携帯を普及させた」という
プラス面もあったのです。

今回の報告書もその点は認めつつ、
ユーザーにとってわかりにくかった
奨励金の改善を求めています。

例えば、今までの「通信料」に「奨励金」が含まれた
不明確な料金をやめて、
「通信料は通信料」「電話機代は電話機代」として
はっきりと分けていくのもその1つ。

すでに始めている事業者もありますが、
これなら、自分が買った
電話機の分だけ払えばいいので
長く使う人の不公平感もなくなります。

あるデータでは日本人は
携帯電話に年間10万円ほど払っているそうです。
システムが変われば料金はまだ安くできる、
と総務省も見ています。
以上、イチメン!でした。