日本テレビ「NEWS ZERO」

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6月18日イチメン特別取材 政府専用機のヒミツ

今週のイチメン!は特別取材。
なんと「政府専用機」に乗り込むことができました。

通常、この航空機を使って移動できるのは
★天皇および皇族
★国賓に準ずる賓客 
★最高裁判所長官
★衆議院議長および参議院議長
★内閣総理大臣
★国務大臣
と決められています。

その政府専用機に僕が乗ることができたのは、
この4月に政府専用機の改修が終わり
先週、報道陣向けに特別公開されたからです。
イチメン流に徹底取材しました。

 

先週水曜日。僕は北海道にある
航空自衛隊千歳基地へと向かいました。

普段は千歳基地で管理されている政府専用機。
天皇陛下や総理大臣などごく限られた
「要人の輸送」に使われる航空機です。
つい先日のサミットでも安倍総理が使っていましたよね。

一見、ごく普通の旅客機ですが僕が最初に気になったのは
政府専用機の機首部分に立っている2本の旗でした。

これは一体どうやって出しているんでしょう?
許可をいただいてコックピットに潜入。
パイロットの徳道亘志さんにお話を聞くことができました。

櫻井「あれは自動で出るようになっているんですか?」
徳道「いえ、あれは...人力ですね」
櫻井「人力なんですか!」

櫻井「どこから揚げるんですか?」
徳道「コックピットの後ろの『緊急脱出口』なんですが」
櫻井「緊急脱出口!?」

櫻井「これですか!!」

櫻井「こんな地道な作業だったんですね」
徳道「お恥ずかしいですが...」

徳道さんのおかげで最初の疑問がスッキリしました。

また、僕がいただいた搭乗券は名刺サイズでした。
表には名前や肩書、座席番号があって
裏には政府専用機の写真が付いています。

そして、いよいよフライトとなりました。

機体の中は、とても空の上とは思えません。
事務室はインターネット完備。
電話やファクス、コピーの複合機まで
取りそろえられていて完璧なオフィス空間。
地上と同じように働くことができます。

そして、会議室もありました。

会議室の小窓にはスイッチが付いていて
押すとガラスが曇って中が見えなくなります。
秘密の会議も大丈夫です!

さらに、秘書室の先には天皇陛下や総理大臣しか
使うことのない貴賓室があったのですが
保安上の理由で残念ながら撮影は禁止。
中に入って気付いたのは貴賓室が大きいこと。
そして、他の部屋に比べて静かだということです。
(その後の取材で貴賓室は他の部屋よりも
壁が厚くなっているというお話も伺いました)

今回のフライトでは客室乗務員の訓練も公開されました。
手慣れた感じで接客する客室乗務員のみなさんですが...

胸のバッヂにはみな「特輸隊」の文字が...。
もしかして...と思い、聞いてみました。

櫻井「この客室乗務員の方々はみなさん『ほぼ』自衛官ですか?」
徳道「そうです。『すべて』自衛官です」
櫻井「つまり、飛んでいるこの最中は任務中ということになるんですか?」
徳道「そうなりますね。はい」

そう、「特輸隊」とは「特別航空輸送隊」のこと。
なんと、政府専用機の乗務員は
すべて航空自衛隊員だったのです。

フライトを終えて...。
普段なかなか乗れない航空機の、
さらになかなか入れない部屋まで入れて
非常に貴重な経験をしました。
しかし、恥ずかしいことに僕は
乗務員がみなさん自衛官だというのを知りませんでした。
みなさんは知っていましたか?

その後も気になって政府専用機について調べてみると、
政府専用機は僕が乗ったものと全く同じ形のものがもう1機あって、
いま日本は合わせて2機を所有しているそうです。

これは、海外で1機目が故障しても要人を滞りなく運べるように
常に2機一緒に運航するためです。

つまり、実質1機しかないのと同じ状態なので、
最近も「もう1機増やしてもいいのではないか」
との声が政府内から挙がりました。

最後に、政府専用機にとって一番大事なこと。
それは時刻通りに運航する「定時運行」なんだそうです。
もし、専用機の到着が遅れたら
その後の要人の予定がすべてくるってしまいます。
だから、専用機のスケジュールは
分単位どころか秒単位で組まれていて、
乗務員のみなさんはこれを守ることに
細心の注意を払うそうです。

以上、イチメン!特別取材でした。