日本テレビ「NEWS ZERO」

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3月19日イチメン ICチップの未来

3月18日から、関東圏では1枚のカードで
電車やバスが利用できるようになりました。
それを可能にした私鉄のIC乗車券が「PASMO」です。


すでに発売されているJR東日本のIC乗車券は「SuiCa」で
「PASMO」と「SuiCa」は相互利用可能。どちらの改札でも使えます。

実は、どちらもソニーが開発した「FeliCa」という技術を使っていて
言わば「双子のカード」なんです。だから、お互いに使えるんですね。

 

さて、PASMOやSuiCaを始めとして
電子マネー、キャッシュカードやクレジットカード。
最近では社員証、住民基本台帳カードから運転免許証まで
僕らのお財布や定期入れにほぼ1枚は入っているのが
これら「ICカード」です。

社団法人「ビジネス機械・情報システム産業協会」の予測では、
日本のICカードすべての生産枚数が来年には「約2億3000万枚」に達し
国民1人にほぼ2枚ずつ行き渡る計算になります。
もはや「持たないことの方が難しい」ともいえますよね。

 

一昔前、日本でカードといえば黒いテープの入った
「磁気カード」が圧倒的でしたが、
これらのカードでいつも問題になるのが「偽造」です。
実際、「スキミング」という手法を使って
偽造される事件が多発しましたよね。

そんな状況の中で急速に広まってきたのが
このICカードです。

この中には「ICチップ」と呼ばれるものが
組み込まれているんですが...

小指の先ほどの小さなモノなんです。
現在、1枚数百円で作れるそうですが
こんなに小さくてもすごい能力を持っています。

磁気カードが記憶できるのは漢字にすると40字ほど。
それに対して、ICチップはその「400倍」の約1万6000字。
新聞1ページ以上もの情報を記憶できます!

さらに、磁気カードは情報をただ覚えているだけですが、
ICチップは自分で「計算」したり
情報を「暗号」に変えてやりとりすることもできます。

このようなICチップを作るには高度な技術がいるので
そう簡単に偽造することはできません。
また、暗号を使うので「安全性」も高いと言われています。


そんなICチップ。意外なところでも活躍しています。

例えば、3万人が都心を走り抜けた「東京マラソン2007」では、
参加者の靴ひもにICチップが付けられていて
全員が自分のタイムを正確に知ることができたんです。

あれだけ多くの人たちのタイムをどうやって計るのかと思っていたら
ICチップが大活躍していたんですね!!

 

ICチップやICカードにはこのように「個人を識別」する
という便利な機能があって、
すでに「ネットショッピングの決済」に生かされていたり
来年にはタバコを買う時の「年齢証明書」として
活用される予定にもなっています。

 

さらに。海外ではICチップを人体に埋め込んで
医療や身分証明に使おうというアイデアまであるんです。
すでにアメリカの企業が実験を始めているという話もあります。

村尾さんは「進化した技術が権力者の手に渡って
何でも監視されるような社会になるのは怖い」
と話していました。

ICチップの進化で便利になるのは良いことだと思うので
こういった技術を上手に使えるといいと思います。
以上、イチメンでした。