日本テレビ「NEWS ZERO」

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3月12日イチメン 金属泥棒と限りある資源

この日も栃木県で、資材置き場からステンレスパイプを
盗んだ男女3人が逮捕されるという事件が起きました。

そこでこの止まらない金属泥棒について
イチメン!で色々と調べてみました。

今回、まずは最近金属泥棒の被害にあったものを
たくさん集めてスタジオでお見せしました。 

先月、茨城や栃木で40個も盗まれたのは「消防の半鐘」。
なんと、埼玉では「すべり台」のステンレスの部分まで盗まれました。
「側溝のフタ」「水道の蛇口」に「ガードレール」まであります。
どうやって持っていくんでしょう!?

さらには「タイヤホイール」「給食の食器」
「会社のネームプレート」「お墓の線香皿」と
ありとあらゆる金属に手が付けられているといった感じです!

なぜこんなに金属泥棒が続くのか?というのは
ニュースをよくご覧になっている方はご存じかもしれません。

世界的に「金属の値段が急上昇」しているんです。
市場で取引されている金属の価格は
5年前と比べてアルミは2倍、銅は4倍、
くず鉄や亜鉛は5倍にも跳ね上がっています。

その背景には
来年北京オリンピックを控える中国の状況があります。
競技場、ホテル、公共施設などの
建設ラッシュのために大量の金属が必要とされ、
これが世界中の金属の値段をつり上げています。

でも、だからといって盗んだものが
高く売れるわけではないんです!

 

例えば、この「半鐘」。
青銅製で被害額にすると36万円と言われますが
この「36万円」というのは製品として買う時の値段で、
専門家によると、
盗んだ人間が金属として売ろうとしても
売り値は「1万円にもならない」そうです。

「なぜ、こんなものを盗んでいくのか」と
専門家の方も首をかしげていました。


ところで、もう一つ
金属を大切にしなければならない理由があるんです。

みなさんも石油や天然ガスなどの
エネルギーが「限りある資源」だということはご存じですよね?

実は、金属も「限りある資源」なんです。

いま、中国だけでなく
ブラジル、ロシア、インドなどの経済発展に伴って
世界中で使われる「金属の量」が増えています。

そこで、日本の独立行政法人「物質・材料研究機構」では
これから先、金属が世界でどのくらい使われるのかを予測しました。

その最新の予測によると銅はあと「25年」
金やスズはあと「20年」銀はなんとあと「10年」もすると
現在の「埋蔵量」を使い切ってしまう
という計算になったんです。

ただし、この「埋蔵量」は新しく鉱脈が見つかったり
経済状況によって増えるので
必ずしもあと○○年で無くなるという意味ではありません。

でもこの予測は、今のように
「好きなだけ金属を使える時代が終わりを迎えるかもしれない」
という警告と言えます。


この限られた大切な資源である金属を
どうやって守っていけばいいか
僕らにもできることはないかを考えました。

そうやって調べてわかったことは、
例えば「携帯電話」。


微量の「金・銀・銅」などが使われていて
きちんと集めれば貴重な資源として再利用できます。
買ったお店に持っていけばリサイクル用に引き取ってくれますし、
メモリーの中に入った個人情報が心配な人は
携帯電話に穴を開けて情報を取り出せなくする機械が
お店に置いてあるみたいですよ。

こういった「リサイクル」も、
限られた金属資源を守ることにつながるそうです。
これなら僕らにもできそうですね。


いずれにしても、
「人の金属を盗むのはいただけません!」
以上、イチメンでした。