日本テレビ「NEWS ZERO」

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10月30日イチメン ポスティングシステムって?

今日は松坂選手とポスティング制度についてお話しします。

松坂選手といえば11月1日にも
「ポスティング」という制度でのメジャーリーグ挑戦を発表する予定です。
あるアメリカの新聞記事によると「移籍金」の予想は
なんと40億円だそうです!!

...でも、ちょっと待ってください。この「移籍金」。
実は、選手本人には1円も入らないってご存知でしたか?

わかっているようでわからない「ポスティング」とは
一体どんな制度なんでしょうか?

この制度ができたのは実は、
野茂英雄選手のメジャー移籍がきっかけでした!

1995年。まだポスティング制度がなかったため、
野茂選手は「日本球界を引退する」という形でアメリカに渡りました。
しかし、この形では日本の球団にとっては野茂選手を失うだけで、全く見返りがありません。

これでは困る、ということでそれから3年後にできたのがポスティング制度です。
ここからはそのポスティング制度について見ていきましょう。

①今回なら、松坂選手を欲しいアメリカのチームが「移籍金」を入札をします。
その中で、一番高い金額を書いたチームが交渉権を獲得します。
(ただし、入札された移籍金の額が低いと思えば日本の球団側は拒否できます)

②交渉権を得たチームは、交渉の場で初めて「年俸」などを提示して、
それがまとまれば松坂選手は晴れてメジャーリーガーになります。

「年俸」は選手に松坂選手を手放す西武には「移籍金」が入る     
という仕組みです。

でも逆に、アメリカのチームにしてみれば
「年俸」と「移籍金」の両方を用意しなければいけないわけです。
今回は「移籍金」だけで40億円とも言われていますから
そんな大金を準備できるのはわずかなチームに限られますね。

でも、もう1つ、メジャーへの挑戦といえば
フリーエージェント(FA)っていうのもありますが
この方法で海外に行く時は移籍金はゼロ。
つまり、日本のチームには1円も入ってこないんです。

ただし、松坂選手のFA取得は早くて再来年ですから、
ポスティングで、ちょっとでも早くメジャーに行きたい松坂選手と、
行かせるならせめて「移籍金」を得たい西武とで、
お互いにタイミングがあったのが今年、と言えそうですね。

ちなみに、松坂選手の今年の年俸が3億3000万円なので、
もしも球団に「移籍金」として40億円入ったら
松坂選手クラスの選手を12人取っても、お金が余る計算ですよ!
「チーム松坂」ができますね。

ここからは、このブログを見ていただいている方だけに補足情報です。

あのイチロー選手がポスティングでマリナーズに移籍した時の「移籍金」は約14億円だったそうです。
当時はまだ日本人の野手でアメリカで活躍した選手はいなかったのでこのような評価でした。
マリナーズはお得でしたね!

それと、別のスポーツですが
サッカーのロナウジーニョ選手が現在のバルセロナに移籍した時、
移籍金は約36億円でした!
これと比べても、松坂選手の評価がいかに高いものか良くわかります。

きょうは、松坂選手が使うポスティング制度に注目しました。
以上、イチメンでした。